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モップの精と二匹のアルマジロ [日本の作家 近藤史恵]


モップの精と二匹のアルマジロ (実業之日本社文庫)

モップの精と二匹のアルマジロ (実業之日本社文庫)

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
妻に内緒の行動を取っていた夫が3年間の記憶を喪失!
最先端ファッションでオフィスの清掃人をつとめ、日常の謎も解くキリコ。彼女は越野真琴という地味な女性から、夫の友也の行動を探ってほしいと頼まれた。美形である友也の退社後には、数時間の空白があった。ところが友也が事故に遭い、3年間の記憶を喪失してしまう。その後、彼の身辺には不審な出来事が。キリコと夫の大介は、夫婦の絆をめぐる謎に迫るが……。


あとがきで、
「これは清掃作業員探偵キリコの四冊目の本で、そしてはじめての長編になる。」
と書かれています。
その長編でキリコと大介が取り組む謎が、夫婦の謎!
夫越野友也の方が超美形というのがミソ(?)。写真を見た大介は
「息を呑む。たしかにかなりの美形である。
 ガードレールのようなところにもたれて笑っているのだが、それだけでスナップ写真というより雑誌のグラビアのようである。切れ長なのに黒めの大きい眸と、彫りの深い顔立ち、まるで絵のようで、これなら俳優にも引けを取らない。
 身体も痩せているのに筋肉質で、タンクトップ姿でも少しも貧相に見えない」(27ページ)
続けて
「負けた、と思った。いや勝とうと思っていたわけではないが」
と続くところが可笑しいですが。
一方で妻越野真琴は地味。
「ぼくは……結婚なんかしていいような人間じゃない」なんて友也の不穏なセリフ。

真相は、意外でした、というよりも、そういうケースがあるってことを知りませんでした。
ネタバレになるので、背景と同じ色で書いておきます。
Aセクシャル。
性欲とか、性的嗜好がまったくない。
女性にも男性にも恋愛感情もないし、性欲もない。
そしてそれを大介たちが知って初めて、タイトルの意味が、286ページで明かされます。
この後の大介とキリコが、やはり素晴らしいと感じました。
友也と真琴との二人のやりとりは、このシリーズの最大の特長ですね。

「正直言うと、わたし、大介への恋愛感情もけっこう薄れてきてる」(304ページ)
なんて衝撃のセリフもキリコの口から出てきたりします。
「えええええっ!」
っていう大介の反応がまたおかしい。

このあとこのシリーズは出ていないみたいです。
続き、いつか書いてくださいね。




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