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Q.E.D.証明終了(38) [コミック 加藤元浩]


Q.E.D.証明終了(38) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(38) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/02/17
  • メディア: コミック




この第38巻には「虚夢」と「十七」の2つの話が収録されています。

「虚夢」は、映画製作に夢をかけ、金をかけ、どうにもならなくなって追いつめられた男たちの話です。
かなりきわどいトリックが使われています。
でも、このトリック、うまくいくでしょうか? ぜんぜんタイプは違いますが、横溝正史の「獄門島」 (角川文庫)をなぜか思い出して、ニヤリとしたのは事実ですが、すぐに見破られてしまうような気がしてなりません。
真相究明シーンの絵がちょっとミスリーディングなだけかもしれませんが...
ラストのせりふがなかなかいいなぁ、と思えました。

「十七」は、一転して、江戸時代の和算を扱っています。QEDならでは、といえるかも。
算額に、遺題(問題の回答を示していないもの)、病題(答えのない悪い問題)...
そういえば、冲方丁の「天地明察」 (上) (下) (角川文庫)(ブログへのリンクはこちら)に算額が出てきましたね。
複素平面を江戸時代に13歳の少女が編み出していた、しかもひょっとしたらガウスより先に、というのはロマンがありますが、ちょっと大きなテーマに挑み過ぎているように思ってしまいました。

余談ですが、途中に、「和算になかったものの一つが“微積分”です。微積分はライプニッツとニュートンが完成させたと言われています」というせりふがあります。
高校生のとき、数学の先生に、ライプニッツとニュートンと関孝和がそれぞれ独自に微積分を編み出したと教えてもらった記憶があり、これを読んであれっと思ったのですが、国立国会図書館のHPをみてみると、
「関の数学が微積分のレベルに到達していたということもしばしばいわれますが、幾つかの公式に類似のものがあるものの、全体としてみると当時の和算と微積分は全く発想の異なった数学であり、単純な比較はできません。」
とあって、関孝和が編み出したわけではないのですね。





タグ:QED 加藤元浩
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