SSブログ

帰ってきたヒトラー [映画] [映画]

帰ってきたヒトラー T0020912p.jpg


先日、原作を読んだばかりの「帰ってきたヒトラー」 (上) (下) (河出文庫)の映画化です。原作の感想ページへのリンクはこちら
ぎりぎり映画館での上映に間に合いましたね。

映画のHPからストーリーを引用します。


全てが変わった世界で、何も変わらない〈彼〉は、
再び民衆の支持を集めはじめる。
ヒトラーの姿をした男が突如街に現れたら?
「不謹慎なコスプレ男?」顔が似ていれば、「モノマネ芸人?」。
リストラされたテレビマンに発掘され、復帰の足がかりにテレビ出演させられた男は、
長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者のドギモを抜く。
自信に満ちた演説は、かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と認識され、
過激な毒演は、ユーモラスで真理をついていると話題になり、
大衆の心を掴み始める。しかし、皆気づいていなかった。
彼がタイムスリップしてきた〈ホンモノ〉で、70年前と全く変わっていないことを。
そして、天才扇動者である彼にとって、
現代のネット社会は願ってもない環境であることを―。

いつものシネマ・トゥデイからも引用します。

チェック:ティムール・ヴェルメシュのベストセラー小説を実写化したコメディードラマ。独裁者アドルフ・ヒトラーが突如として現代に出現し、奇想天外かつ恐ろしい騒動を引き起こす。舞台を中心に活躍するオリヴァー・マスッチがヒトラーを演じ、「トレジャー・ハンターズ アインシュタインの秘宝を追え!」などのファビアン・ブッシュや『ビッケと神々の秘宝』などのクリストフ・マリア・ヘルプストらが脇を固める。21世紀の民衆が、知らず知らずのうちにヒトラーに扇動されていくさまに注目。

ストーリー:ナチス・ドイツを率いて世界を震撼(しんかん)させた独裁者アドルフ・ヒトラー(オリヴァー・マスッチ)が、現代によみがえる。非常識なものまね芸人かコスプレ男だと人々に勘違いされる中、クビになった局への復帰をもくろむテレビマンにスカウトされてテレビに出演する。何かに取りつかれたような気迫に満ちた演説を繰り出す彼を、視聴者はヒトラー芸人としてもてはやす。戦争を体験した一人の老女が本物のヒトラーだと気付くが……。

原作では、ヒトラーが語り手で、そこがポイントなので、映画化するとどうなるかな、と思いましたが、オープニングから、ヒトラーのモノローグで、やはりそう処理するのか、と思いました。
ちょっと芸がないなぁ、なんて思って観ていましたが、その後原作とは違う点があちこち目立つようになり、ラストはかなり違うエンディングとなります。

全編を通してのイメージは、ユーモアやコメディというよりは、風刺色が強くなっています。
笑えるシーンも確かにありますが、次第に笑えなくなっていきます。
もちろんいろんな要素を孕んだ作品ではありますが、原作では抑え目に書かれていた部分も、映画ではストレートに、はっきりあからさまに打ち出されています。
もっともそのことが感じられるのは、エンディングですね。露骨です。

このエンディングをどう評価するかで、かなり意見が分かれるのではないかと思うのですが、ぼくはやはり原作に軍配を挙げたいです。
「謂ひおほせて何かある」
映画はやはり少々下品な仕上がりだと思います。


映画の内容とは関係ないのですが、この映画を見た映画館で、たまたま隣に座った見知らぬ人が、最悪でした……
まず、なんだかわからない変な匂い。
そして笑えるシーン、特に単純な笑いのシーンでは、周りに響き渡る高笑い。
笑うな、とは言いませんが、自宅で見ているわけではないのだから、ある程度は周りにも配慮してほしいもんです。続くセリフがまったく聞き取れないくらいの音量。ドイツ語のセリフなんだから聞こえなくてもいいっちゃあいいんですが、セリフ以外の音声も聞き取れないのはちょっと困ります...
その意味では、後半、どんどん笑えなくなっていくのは幸いでした。
(後半にも笑えるシーンはあることはあるのですが、単純に笑えるわかりやすい笑いしかご理解されないお客さんだったようで、助かりました)


原題:LOOK WHO'S BACK
製作年:2015年
製作国:ドイツ





nice!(10)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0