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ハートストーン [映画]

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今年8月の終わりに、夏休みを利用して、アイスランドに旅行に行ってきました。
ちょうど旅行に行く前に、アイスランドの映画が日本にやってきていましたので、観に行きました。1ヶ月以上も前に観た映画ですが、感想を書いておきます。

映画のHPからあらすじを引用します。
東アイスランドの美しく雄大な自然が広がる小さな漁村、ソールとクリスティアンは幼なじみでいつも一緒の大親友。
ソールは美しい母、そして自由奔放なラケルと芸術家肌のハフディス、対照的な二人の姉妹に囲まれて暮らしている。
思春期にさしかかり、ソールは大人びた美少女ベータのことが気になりはじめる。クリスティアンはそんなソールの気持ちを知り二人が上手くいくよう後押しする。そしてクリスティアン自身もベータの女友だちハンスからの好意を受けとめ、4人は行動を共にするようになる。
自然とソールとベータの距離は縮まり二人は心を通わせ合う。ただそこには二人を見守りつつ複雑な表情を浮かべるクリスティアンがいた…。
そんなある日、ソールの姉たちが開いたホームパーティーで、姉ハフディスがソールとクリスティアンに懇願しモデルになってもらい描いた二人が見つめ合う意味深な画が見つかってしまい、そこに居合わせた友人たちは騒然となる。
大人から子供までみなが顔見知りで、古くからの慣習を尊重する村の環境は些細なことが大きな火種となる。
ソールとクリスティアンに向けられた好奇の眼差しは二人の関係をぎこちなくさせていった。
「普通にしてくれよ、そしたら元に戻れる」そう言い放つソールに悲しげな顔でこたえるクリスティアン…。
そして思いつめたクリスティアンは―――。


アイスランドの美しい風景を背景に、思春期の少年たちを描いた映画でした。
いつも引用するシネマトゥデイから、見どころとあらすじを引用します。

見どころ:豊かな自然が広がるアイスランドの漁村を舞台に、思春期を迎えた少年たちを描いた青春ムービー。本作が長編初監督作となるグズムンドゥル・アルナル・グズムンドソンが、自身の少年時代の思い出をベースに描いた自伝的ラブストーリーは、第73回ベネチア国際映画祭をはじめ、世界各地の映画祭で高く評価された。バルドゥル・エイナルソンとブラーイル・ヒンリクソンが、仲のいい幼なじみを演じる。

あらすじ:東アイスランドの漁村に暮らすソール(バルドゥル・エイナルソン)とクリスティアン(ブラーイル・ヒンリクソン)は、幼なじみの親友。思春期に差し掛かりソールは大人びた美少女ベータ(ディルヤゥ・ワルスドッティル)に夢中になる一方、クリスティアンはそんなソールの気持ちを知りベータとの仲がうまくいくよう後押しするが、自らの内にある親友への特別な感情に気付き……。


こういう映画、普通だったら観に行かないので、こういうきっかけで観られてよかったかな、と思いました。
あまたの賞を受賞している作品ですが、ベネチア国際映画祭クィア獅子賞(最優秀LGBT映画賞)、シカゴ国際映画祭ゴールドQヒューゴ賞(最優秀LGBT映画賞)、などを受賞した、とのことで、ベースとして、同性の友人に対する特別な思いを取り扱っています。
ある意味屈折した感情を抱くものと、一方でまったくそういうことに頓着せず、無邪気といっていいくらいなふるまいをするもの。この残酷な対比が見どころなのでしょうか。ソールはちゃっかり(?)初体験を済ませちゃったりします。
LGBT映画賞ということで、あえて「同性」と書き加えましたが、同性だろうと、異性だろうと、恋なんて一方的になりやすいもの。こちらにとって相手は特別な存在なのに、相手にとってこちらはまったくの one of them。恋愛ストーリーの王道ではないですか。
俺は/私はLGBTなんてわかんないよ、と身構える方でも、そのあたりは伝わってくるのではないでしょうか。
もっともそんなことを言いながら、同性への気持ちというのは、周りや相手の理解という点で異性への気持ちとは比較にならないくらい困難でしょうから、個人的には、クリスティアンの選択が今一つぴんとこなかったのも事実ですが。

あとこの映画は、同性への思いに揺れる少年を描いただけのものでは決してありません。
どちらかというと、思いを寄せる方のクリスティアンよりも、視点は思いを寄せられる方のソールになっていることが多いです。
アイスランドの閉鎖的な寒村で、閉塞感ある大人たちの世界を子供の視点から覗き見ている映画でもあります。
風景も、美しいけれども、荒涼としたというか、厳しい感じを漂わせてもいます。だからこそ美しいといえるのかもしれませんが。

たぶん消化不良のところが多々あるのだとは思いますが、それなりに楽しめました。

で、実際に行ってみたアイスランドは、首都レイキャビク中心だったので、この映画のような寂寥っぽい風景はあまり見ませんでした。ただ、8月末ごろでしたが、雨が多く、火山性の土壌で、ごつごつしていたりして、農業や居住には向かないエリアが多そうで、ちょっと寂しいような、ちょっと荒れたような自然の風景は美しかったです。



原題:Hjartasteinn
英題:HEART STONE
製作年:2016年
製作国:アイスランド/デンマーク



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