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映画:ゲット・アウト [映画]

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映画のHPからあらすじを引用します。

ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家へ招待される。
若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。
その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。
翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで気が滅入ってしまう。
そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、
フラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変し、「出ていけ!」と襲い掛かってくる。
“何かがおかしい”と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが・・・。

いつも引用するシネマトゥデイから、見どころを引用します。

見どころ:『パラノーマル・アクティビティ』シリーズなどを手掛けてきたプロデューサー、ジェイソン・ブラムが製作に名を連ねたスリラー。恋人の実家を訪ねた黒人の青年が、そこで想像を絶する恐怖を体験する。メガホンを取るのはコメディアンのジョーダン・ピール。『Chatroom/チャットルーム』などのダニエル・カルーヤ、ドラマシリーズ「GIRLS/ガールズ」などのアリソン・ウィリアムズらが出演する。


知人が、主演が大根だ、と言っていたんですよね、この映画(笑)。

それはさておき、わりと評判いいみたいですね。
でも、よくできている、とか、傑作、とかいう作品ではないと思いました。どちらかというと、失敗作なんではなかろうかと。

目の付け所はいいと思うんです。
白人とつきあっている黒人が主人公。
相手の実家に呼ばれ、両親、家族に紹介される。
使用人は、様子のおかしい黒人2人。
知り合いは、驚くほど白人ばかり。一人見つけた黒人は、これまた様子が変。
居心地がどんどん悪くなっていく。
いまどき(ありえないよな)、と思うような設定で、一方でアメリカの現実って(一部では)こんなものなのかな、なんて考えたり。オバマ大統領から、トランプ大統領に代わったアメリカで、意外と時宜を得た作品かも、なんて思ったり。

現代アメリカにおける人種差別問題を扱った作品かな、とそう思わせる導入部。
でも、そう思わせておいて、ぐーっとまったく違う切り口に展開していくところが見どころなんだと思います。
この導入部から、「ステップフォード・ワイフ」(観ていて思いついた別の映画のタイトルを書いておきます。ネタバレなので伏字で)みたいな話が出てくるとは思わないですもん。
あっぱれ! といいたくなるような組み合わせ。人種差別問題と相性のいい(というのは語弊のある言い方ですが)アイデアなんですね、アレ。
ここが評判のいいポイントですね。

しかし、しかし、しかし。
そうわかって振り返ると、建付けが悪くないですか、この映画。そして、安っぽい。
伏線をしっかり張ろうとしたのはわかりますが、数少ない黒人が出てくる場面の仰々しさ、安物のホラー映画を観ているかのようなものものしさは、せっかくのアイデアを活かしているとは思えません。
逆に、人種差別を扱った普通の物語ではないんだな、と見当をつけさせてしまう。
(ただし、それぞれの黒人の俳優さんの演技力はびっくりします。知人が言った、主人公が大根というのも、対比のためにわざとそういう演技にしている可能性もあるような気もします)

もちろん、普通の物語ではない、と見抜かれたとしても、この映画が用意している地点までは想定できないとは思います。アイデアの勝利。
ただ、仰々しさ、ものものしさを排したほうが、より驚けたと思います。

ということで、いい材料をそろえたのに調理法を失敗した料理みたい、というのが個人的な感想です。
ああ、もったいない!





原題:GET OUT
製作年:2017年
製作国:アメリカ
日本公開:2017年10月27日


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