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化学探偵Mr.キュリー5 [日本の作家 喜多喜久]


化学探偵Mr.キュリー5 (中公文庫)

化学探偵Mr.キュリー5 (中公文庫)

  • 作者: 喜多 喜久
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2016/12/21
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
化学サークルによる「甘い物質」合成対決。サ行の発音がおかしくなった同級生の秘密。四宮大生を狙う奇妙な仮面の男の正体。協力して事件の解決に当たる沖野と舞衣は、ひょんなことから理学部の冷蔵室に閉じ込められてしまった。暗闇&低温の極限状態から脱出する術はあるのか!?


読了本落穂ひろいです。
シリーズ第5弾ですが、先に第6弾第7弾の感想を書いてしまっています(第6弾の感想はこちら第7弾の感想はこちら。)。

で、この「化学探偵Mr.キュリー5」 (中公文庫)には
第一話 化学探偵と無上の甘味
第二話 化学探偵と痩躯の代償
第三話 化学探偵と襲い来る者
第四話 化学探偵と未来への対話
第五話 化学探偵と冷暗の密室
の五話が収録されています。


第一話の「化学探偵と無上の甘味」はサークル同士の甘味対決。古典的な展開の物語です。
ここに出てくる「ミラクルフルーツ」(ネタバレなので色を変えておきます)、知りませんでした。

第二話の「化学探偵と痩躯の代償」はタイトルにもある通り、ダイエットによる体調不良を扱っていますが、サ行が言いにくくなるって怖いですね。

第三話「化学探偵と襲い来る者」は、付き合いだしたばかりの梨奈と、二人の大学生に求愛されている千里、二人の女性の恋模様(?)を背景に、四宮大生を狙う通り魔(?)事件が解決されます。
しかし、ラストで七瀬がしようとするアドバイスにはちょっとびっくり。すごいな。

第四話の「化学探偵と未来への対話」は登校拒否、ひきこもりになった優秀な高校生の話ですが、ちょっと安直に物語が進みすぎるのが難かと。
まあ、七瀬の強引なまでの先方と沖野の話が功を奏した、ということですか......
ひきこもりや登校拒否に至る理由は人それぞれかと思いますが、こんな簡単に解消するとは限らない(簡単に解消するケースもあるとは思いますが)のでは、このやり方ではかえってこじれてしまうのでは、と不思議に思ってしまいます。

第五話「化学探偵と冷暗の密室」は冷蔵室に閉じ込められてしまった七瀬と沖野、なわけですが、うーん、この二人の仲はどうやったら進むのでしょうね?
この閉じ込められた状況って、いわゆる「吊り橋効果」抜群ではないですか。しかも、けしかけてくれる周りもいるというのに......
少しずつ、本当に少しずつ進展はしているのですが、あまりにも遅くて。うさぎとかめのかめどころか、カタツムリよりよほど遅いぞ。


<蛇足>
「七瀬はきっと、生まれつきのおせっかいなんだよ」(132ページ)
いや、まったくその通りなのですが、これ誉め言葉ではないですよね(苦笑)。





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