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映画:ナイル殺人事件 [映画]

ナイル殺人事件.jpg


映画の感想を続けていますが、さらに続けて「ナイル殺人事件」の感想です。

シネマトゥデイから引用します。

---- 見どころ ----
アガサ・クリスティの推理小説「ナイルに死す」を、『オリエント急行殺人事件』に続きケネス・ブラナーが監督・主演を務めて映画化。エジプトのナイル川をめぐるクルーズ船を舞台に、名探偵ポアロが密室殺人の解明に挑む。共演には『ワンダーウーマン』シリーズなどのガル・ガドット、『君の名前で僕を呼んで』などのアーミー・ハマー、ドラマシリーズ「セックス・エデュケーション」などのエマ・マッキーに加え、レティーシャ・ライト、アネット・ベニングらが集結。前作同様リドリー・スコットらが製作に名を連ねる。

---- あらすじ ----
エジプトのナイル川をめぐる豪華客船内で、新婚旅行を楽しんでいた大富豪の娘リネット(ガル・ガドット)が何者かに殺害される。容疑者は、彼女とサイモン(アーミー・ハマー)の結婚を祝いに駆け付けた乗客全員だった。リネットに招かれていた私立探偵ポアロ(ケネス・ブラナー)が捜査を進めていくうちに、それぞれの思惑や愛憎が絡み合う複雑な人間関係が浮き彫りになっていく。


言わずと知れたクリスティの名作の映画化、ではありますが、世間的には、「ナイル殺人事件」のリメイク、と言った方が通りのがいいのでしょうか?
「オリエント急行殺人事件」(感想ページはこちら)に続く、ケネス・ブラナーによる作品です。

冒頭、いきなり戦場のシーンでびっくりします。
なんと、ポワロの若き日の姿です。恋するポワロまで。
うーーん、どうでしょうね。このエピソードは映画の後半のポワロのセリフとも相まって、ポワロの人間像を掘り下げたもの、なのでしょうが、個人的には邪魔に思いました。
正直、こんな ”ベタな” 設定をほんの触りだけ端折って紹介するくらいなら、単なる推理機械と言われた方がよいではないかと思ってしまいます。
ここを評価する人もいるとは思いますが。
それにしても、ポワロの口ひげの理由も明かされるのですが、あんなにきれいな髭になりますか?

「オリエント急行殺人事件」のエンディングで、ポワロが別の事件にかり出されちゃうシーンがあって、それがこの「ナイル殺人事件」なんだろうと勝手に思っていましたが、違いましたね。
一旦ポワロはその別の事件を終わらせて、ロンドンに戻って、ふたたびエジプトへ。

原作「ナイルに死す」 (クリスティー文庫)感想にも書いた通り、いきいきとした登場人物あってこその謎解きミステリなので、実際にその人物が目の前で動いて見せる映画向きとは思うのですが、登場人物も多く、長い物語なので、映画として一定の時間に収めるには削ることが必要で、その結果、少々バランスが悪くなった気がします。
謎解きの駆け足ぶりは、ポワロがかわいそうになるくらい。せっかくの犯人指摘のシーンも、なんかあっさりしちゃって。

ただでさえ物語が窮屈なのに、余計な(失礼)ポワロのエピソードまでいれようとするから......この点からもポワロのエピソードは不要だと思いました。

とはいえ、楽しんで観たことは事実です。
ミステリとしての建付けはずいぶんまずくなってしまいましたが、今あげた不満は原作を知っているからこそ、でしょう。
豪華な雰囲気には浸れますし、全部CGらしいのですがエジプトの様子はさすがに異国情緒たっぷりです。
ロンドン滞在期間中に、足をのばしてカイロとルクソールに行った旅行を思い出したりしました。

どうやらシリーズ第三作も企画されているようで、そちらも楽しみです。


製作年:2020年
製作国:アメリカ
原 題:DEATH ON THE NILE
監 督:ケネス・ブラナー
時 間:127分





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