SSブログ

映画:NOPE [映画]

NOPE.jpg


シネマ・トゥデイから引用します。
見どころ:『ゲット・アウト』『アス』などのジョーダン・ピールが監督、脚本、製作を務めたサスペンススリラー。田舎町の上空に現れた謎の飛行物体をカメラに収めようと挑む兄妹が、思わぬ事態に直面する。『ゲット・アウト』でもピール監督と組んだダニエル・カルーヤ、『ハスラーズ』などのキキ・パーマー、『ミナリ』などのスティーヴン・ユァンのほか、マイケル・ウィンコット、ブランドン・ペレアらが出演する。

あらすじ:田舎町に暮らし、広大な牧場を経営する一家。家業を放って町に繰り出す妹にあきれる長男が父親と会話をしていると、突然空から異物が降り注ぎ、止んだときには父親は亡くなっていた。死の直前、父親が雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目にしていたと兄は妹に話し、彼らはその飛行物体の動画を公開しようと思いつく。撮影技術者に声を掛けてカメラに収めようとするが、想像もしていなかった事態が彼らに降りかかる。


最初に言っておくと、おもしろく観ました。
個人的には同じ監督の作品「ゲット・アウト」(感想ページはこちら)と同じです。

わりと評判いいみたいですね。
でも、よくできている、とか、傑作、とかいう作品ではないと思いました。どちらかというと、失敗作なんではなかろうかと。

ネタバレにはならないので書いておくと、問題となる巨大な ”それ” は空にいます。上空からやってくる ”それ” に襲われていくわけですね。どうやって ”それ” を避け、 ”それ” をやっつけるのかというホラー・サスペンスです。

惹句として「絶対空を見てはいけない」というのが大々的に掲げられていて、確かにそういうシーンが数々あって印象的なのですが、空さえ見上げなければ襲われないのかというとそうではないので、まずあれれ、と思います。
だいたい、巨大な ”それ” のどこが目なのかわからないんですよね。どうやって避けている? たしかに見上げなければ見たことにはならないでしょうが。
逆に、 ”それ” はどうやって人間に見られていると認識するのでしょうか? 人間の目がどこにあるのかなんてわからないでしょう?
一番の宣伝文句がちっとも説得力がない。

途中、試行錯誤の末、 ”それ” が苦手とするものをいくつかなんとか見つけます。
その苦手とするものを利用して、逆襲しようという流れになり、観客としてはいいぞ、やれやれ! となるのですが、このシーンも ”それ” のスピード感が映画を通して一定していないのですごくご都合主義に見えてしまいます。
”それ” 、ものすごく早く動くときもあれば、ゆっくり動くときもある。生命体なのでそれは当然だと思われるのですが、狩りをする際にゆっくり動いたりはしないでしょう、特に獲物が逃げているときに。
”それ” が移動に緩急をつける理由がわからないので、このシーンの迫力が落ちてしまう。

文句をつけついでに、冒頭にも出てくる子ザルのシーンなのですが、ある登場人物の過去を物語る重要なエピソードではあると思うのですが、この映画「NOPE」のプロットとの関連性が低い気がします。
ただただショッキングなシーンを盛り込みたかっただけでは?

ラストシーン。ハリウッド映画なので人間側が勝利を収めることを想定して観るでしょうから書いてしまいますが、人間が勝ちます。
その勝ち方も見どころだと思います。絵になる勝ち方ですごく楽しみました。ケチのつけどころは満載でしたが。

「ゲット・アウト」は「いい材料をそろえたのに調理法を失敗した料理みたい」と思いましたが、この「NOPE」は「香辛料がまぶしてあっておいしくは食べられたけれど、コクとか旨みとかは薄かったかなぁ」という感じがしました。
それにしても、なんとも気になる映画を作る監督ですね。

そうそう主演の俳優ダニエル・カルーヤですが、「ゲット・アウト」の感想では大根という知人のコメントを紹介しましたが、この作品ではそういう印象は受けませんでした。
主人公の不機嫌そうな感じがよく出ていましたね。



製作年:2022年
原 題:NOPE
製作国:アメリカ
監 督:ジョーダン・ピール
時 間:131分
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。