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映画:恋人はアンバー [映画]

恋人はアンバー.jpg


映画「恋人はアンバー」の感想です。

いつものようにシネマ・トゥデイから引用してみます。

見どころ:1990年代のアイルランドの保守的な田舎町を舞台に、同性愛者の高校生男女が期間限定で恋人のふりをする青春ドラマ。閉鎖的な社会で生きるティーンの葛藤や友情を描き、アイリッシュ映画&テレビ賞で8部門ノミネート、2部門を受賞した。監督・脚本は『CURED キュアード』などのデヴィッド・フレイン。『モーガン夫人の秘密』などのフィオン・オシェイをはじめ、ローラ・ペティクルー、シャロン・ホーガン、バリー・ウォード、シモーヌ・カービーらが出演する。

あらすじ:1995年、同性愛者への差別や偏見が残るアイルランドの田舎町。自分がゲイであることを認められない高校生・エディと、レズビアンであることを隠しているクラスメートのアンバーは窮屈な日々を過ごしていた。二人は周囲にセクシュアリティを悟られずに卒業するため、期間限定でカップルを装うことにする。性格も趣味も真逆の二人だったが、悩みや夢、秘密を語り合う中で友情を育み、互いにかけがえのない存在となっていく。


極めて保守的なーーと書いて「保守的」という表現は適切でないような気がしました。そうですね、旧弊な田舎町を舞台に、ゲイであることを隠す男女高校生を描いた作品です。
ただでさえうじうじしやすい思春期(と言っていいですよね)に、ゲイであることを隠さなければならないという状況で、一層うじうじする高校生というのが見事に伝わってきます。
男サイド--エディの話です。
そもそも、頑ななまでに自らがゲイであることを認めようとしていないという出発点がポイントですよね。いわゆる ”男らしさ” に囚われているとも言えます。
軍隊にいる父親の存在がまた効いている。

一方対する女サイド--アンバーは、生きづらさを感じて隠そうとはしていますが、自らがゲイ(レズビアン)であることをしっかり自覚していますし、高校を出たら、ロンドンに行って独り立ちすると決めていて、そのことを前提に行動しています。

その二人が手を組んで、卒業までは世間を欺こうという作戦に。
この作戦、実にうまくいくのです。
特にエディに及ぼす影響は目覚ましい。疑いは残りつつも、周りの目がすっかり変わってしまっています。
これはエディ本人の意識として、自らのアイデンティティを隠さなければならない(頑なに認めようとはしていなかったけれども)という状況から、どうしても内向的に、臆病に日々を過ごさなければならなかったものが、ある意味堂々としてよくなったことも相乗効果をあげていますよね。

しかしそんな幸せな日々はそんなに続かない。
アンバーに恋人(らしき存在)ができ、エディは軍隊の入隊テストへ向け努力を続け、二人の関係も変容していきます。
さらに、アンバーにある事件が起きてしまう(この作品はミステリではないので、明かしてしまっても問題ないとは思いますが、物語の重要な転換点となるので伏せておきます)。

結果疎遠になってしまった二人が、エディの入隊の日に再会して......
という流れでエンディングを迎えるのですが、うーん、このエンディングには戸惑ってしまいました。
ええっ? ここで終わり?
という感じです。

この後のエディ、アンバー二人の将来を思い描いてみると、ちょっと考え込んでしまうんですよね。
将来の二人に会ってみたい気がします。





製作年:2020年
原 題:DATING AMBER
製作国:アイルランド
監 督:デヴィッド・フレイン
時 間:92分



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