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闇の喇叭 [日本の作家 有栖川有栖]


闇の喇叭 (講談社文庫)

闇の喇叭 (講談社文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/07/15
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
私的探偵行為を禁止する法律が成立した平世21年の日本──。女子高校生の空閑純(そらしずじゅん)は、名探偵だった両親に育てられたが、母親はある事件を調査中、行方不明になる。母の故郷に父と移住し母の帰りを待つ純だったが、そこで発見された他殺死体が父娘を事件に巻き込む。探偵の存在意識を問う新シリーズ開幕!


2023年4月に読んだ8冊目の本です。
巻末の文庫版あとがきによると、2010年6月にヤングアダルト向けの叢書〈ミステリーYA!〉の一冊として理論社より上梓されたもので、その後講談社に移管(?)され、
「闇の喇叭」 (講談社文庫)
「真夜中の探偵」 (講談社文庫)
「論理爆弾」 (講談社文庫)
とシリーズ3作が書かれています。

序章 分断
というところに世界設定が書かれています。
昭和ならぬ召和二十年、アメリカによる原爆開発が遅れ、ソ連は正式に対日参戦し、結局原爆は3回目として京都にも落とされ、九月二十日に日本は降伏、北海道はソ連の統治下にはいり、その後〈日ノ本共和国〉として独立。
物語の舞台は、“南” 側の日本で、探偵行為が禁止されている。

主人公空閑純(ソラと呼ばれています)の両親は探偵で、母親が失踪。
友人の家族が巻き込まれた事件解決を通して、ソラは探偵になることを強く、強く決意する、という流れ。

重苦しい世界観の中で展開し、おそらく現在の日本の状況を念頭に置いた批判的な内容は少々うるさいのですが(ヤングアダルト向けということで意識されたのでしょうね)、事件は、島田荘司ばりの豪快なトリック(ネタバレとお叱りを受けるかな?)がはじける愉快なものでした。
このギャップが魅力のような気がします。

タイトルの「闇の喇叭」というのは、ソラが見る夢からとられており、母親の失踪の謎とともに、その意味はシリーズを通して明かされていくのでしょう。

買い揃えてあるので、極力続けて読んでいきます。




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