三世代探偵団 春風にめざめて [日本の作家 赤川次郎]
<帯あらすじ>
天才画家の祖母・幸代、おっとりした母・文乃と暮らす女子高生・天本有里。
三人は突然の火事で両親を亡くし上京してきた少女・香を保護することになる。
しかし、香の信頼する高校時代の恩師の隠していた秘密が見つかり、天本家は事件に巻き込まれていく。指を切断された遺体が発見され、有里たちにも危険がせまる──!
「うちは、殺人事件に慣れてるの」
2023年4月に読んだ10冊目、最後の本です。
単行本。
赤川次郎「三世代探偵団 春風にめざめて」。
「三世代探偵団 次の扉に棲む死神」(感想ページはこちら)
「三世代探偵団 枯れた花のワルツ」(感想ページはこちら)
「三世代探偵団 生命の旗がはためくとき」(感想ページはこちら)
に続く、女三世代が大活躍の最新ユーモアミステリ、第4弾!
このシリーズ、刊行ペースが落ちてきている赤川次郎の中ではペースが本当に早いですね。
きっと作者が楽しんで書いているのでしょう。
主人公有里のキャラクターは、他のシリーズの主人公たちとそう変わりませんから、何が赤川次郎を駆り立てているのかというと、意外と祖母・幸代なのかもしれません。
作者も高齢になってこられているはずですから、こういう年配のキャラクターを書くのが楽しいのでしょうか?
巻き込まれるというよりは、有里が自ら積極的に事件の渦中に飛び込んでいくのは、赤川次郎作品のヒロインとしてはいつものこと、なのですが、この作品のような事件で、この作品のようなやり方では、高校生としていかにも無理。
いくら言っても聞かないとはいえ、周りの大人の対応ぶりも到底あり得ないレベル。有里のことを信頼している、というのが通用しない内容だと思います。
事件とシリーズの設定のミスマッチですね。
ファンとしては残念ですが、失敗作です。
「ところで、「三世代探偵団 枯れた花のワルツ」に出てきた加賀和人はどうしたんだ!?
有里の恋人役じゃなかったのですか? 彼の活躍に期待していたのですが。」
と、前作「三世代探偵団 生命の旗がはためくとき」の感想に書いたのですが、今回登場するものの、有里の恋人役には力不足のような気が。もっとも有里の恋人役には相当の力が必要とされそうですが(笑)
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