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ミステリと言う勿れ (5) [コミック 田村由美]


ミステリと言う勿れ (5) (フラワーコミックスアルファ)

ミステリと言う勿れ (5) (フラワーコミックスアルファ)

  • 作者: 田村 由美
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/09/10
  • メディア: コミック

<カバー裏あらすじ>
坂で転がり落ち、検査入院することになった整。
その病院で出会ったのは、なぜか書籍を介した暗号で、意思を伝えてくる美少女・ライカだった。
彼女の言葉に従って動くうちに、整は不穏な都市伝説に遭遇する。
子どもを救う"炎の天使"とは──!?


シリーズ第5巻となりました。
田村由美の「ミステリと言う勿れ (5)」 (フラワーコミックスアルファ)

「ミステリと言う勿れ」 (4) (フラワーコミックスアルファ)のラストあたりからちらちらと出てきていた謎の女性に導かれて、次の事件と出会います。

episode8 天使の言い分
episode8-2 遠火と近火
episode8-3 淡雪と消える
episode8-4 カエルの炎描
と全編にわたって一連の事件を扱っています。

ストーリー展開としては単純です。
子供を虐待する親を、子供が頼めば焼き殺してくれる "炎の天使"。
もうこれだけでストーリー展開は想像つきますし、登場人物も限られていることから犯人(?) もすぐにわかります。
途中、おお、となるようなトリックが仕掛けられていますが、アンフェアかフェアかぎりぎりのところで、それぞれのシーンがどの視点人物の観点に立ってのものなのか判然としないのはミステリとしてみたら困りものかとは思います。冒頭のシーンなどはかなり微妙かと思うもののフェアだとする説明はなんとかつけられそうですが、肝心の(?) 整が出てくるシーンは説明できないような......マンガは絵で示されるだけに、視点人物という概念があいまいになりやすいところを逆に突いたもの、と言えるかもしれませんが。

しかしながら、この物語の主眼はそこにはないと思われ(なにしろ「ミステリと言う勿れ」 (2) のあとがき的な ”おまけのたむたむたいむ” で、「ミステリじゃないです」「だからこのタイトル」と書かれておられるくらいですから、ミステリとして読まれるのはご迷惑でしょう)、そのトリックを超えたところで、整と登場人物が繰り広げる会話にこそポイントがあるのだと思います。
児童虐待というのは難しい問題で、整もいつもよりは饒舌さが減っているようにも思いました──その分、ほかの登場人物がよくしゃべります。

整は、小学校の先生になりたいんですね。
「久能さんは確かに悪い人じゃないけど
 気持ち悪い人ですよね」
なんて言われちゃう人物だけど(笑ってはいけないのでしょうが、笑ってしまいました)、大丈夫かな?




タグ:田村由美
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