SSブログ

バナナクリーム・パイが覚えていた [海外の作家 ジョアン・フルーク]


バナナクリーム・パイが覚えていた (mirabooks)

バナナクリーム・パイが覚えていた (mirabooks)

  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ジャパン
  • 発売日: 2020/01/10
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
ゴージャスなハネムーンクルーズ中のハンナのもとに、末妹からのメッセージが届いた。母が下の階に住む元女優トリーの死体を発見したという。しかも、現場にはハンナの店〈クッキー・ジャー〉特製のバナナクリーム・パイが! 大急ぎでレイク・エデンに戻ったハンナは独自に事件の調査を開始するが……。ビターな殺人事件とスイートな新婚生活のゆくえはいかに!? お菓子探偵シリーズ再始動!


2023年7月に読んだ6冊目の本です。
ジョアン・フルークのお菓子探偵ハンナシリーズ第20弾。「バナナクリーム・パイが覚えていた」 (mirabooks)
シリーズ新刊が出た、という情報を入手して本屋さんに言ったのですが見つからず。大きな本屋さんを何軒も探したのに見つからず。
それもそのはず、出版社がこの「バナナクリーム・パイが覚えていた」から、ヴィレッジブックスからmirabooksへ変更になったのですね。
探す棚が違うのですから、見つかるはずもない......

冒頭ドロレスがいきなり倒れるシーンで、続いて死体を発見するという展開で驚きます。
ついにハンナだけでは飽き足らず、ドロレスまで死体を発見するようになったか(笑)。

なにしろ、ハンナたちの住むレイク・エデンは、のどかな田舎町のようでいて、
「もっと大きな街や都会ではそうだと思うけど、レイク・エデンではそんなに犯罪は起こらないわよ……」ハンナはそこで小さなため息をついた。「もちろん、殺人は別にしてね。」(53ページ)
と言われるくらいの殺人の宝庫ですから。

ミステリとしては正直ぐだぐだです。
探偵役のハンナが行き当たりばったりなのはいつものことですが、今回はバスコム町長が容疑者であっただけで真犯人だと決め打ちしようとするくらいですから。
「だれがシロなの?」
「バスコム町長よ。絶対クロだと思ったのに、トリーの殺害時刻にアリバイがあったの」(209ページ)
いくら町長が
「彼のトラブルのほとんどが……」「結婚していることを忘れるというトラブルだから」(201ページ)
というように(女性関係に)だらしないとはいえ、今回の被害者は実の姉でもありますし、少々かわいそうです。

真犯人の隠し方も、突然引っ張り出してきてこいつが犯人です、と言ったのに近い乱暴ぶり。
まあ、でも、いつもの面々と出会えたからそれでよし。
シリーズとして、エンディングが気になります。
どうした、ロス???


<蛇足1>
「今度はギャーギャーですか。ギャーギャー鳴くのはオウムです。」(70ページ)
オウムって、ギャーギャー鳴きましたっけ? 

<蛇足2>
「しかも、現場保存用のテープを元に戻しておくhど頭の切れるやつだ」(310ページ)
警察がはったテープを元に戻したくらいでは「頭の切れるやつ」とは到底いえないでしょう.......
だいじょうぶか、マイク。ぼんくらばかり相手にしていたら駄目だよ。

<蛇足3>
「ほんとうよ、ディア」
「でも……よく聞いて、ディア」
「あなたを愛しているわ、ディア。」
「何もないわ、ディア」(325~326ページ)
シリーズの読者であれば、ドロレスのセリフだと思われるかもしれませんが、これお芝居の中の母親役のセリフです。

<蛇足4>
「根管治療が二件に、歯冠の破損が一件、埋伏知歯一件のおかげで長い午後になったよ」(350ページ)
埋伏知歯ですか......調べたら一般的には埋伏智歯と書くようですね。要するに親知らずのことらしいです。



原題:Banana Cream Pie Murder
著者:Joanne Fluke
刊行:2017年
訳者:上條ひろみ




nice!(16)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 16

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。