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迷犬ルパン異世界に還る [日本の作家 た行]


迷犬ルパン異世界に還る

迷犬ルパン異世界に還る

  • 出版社/メーカー: 辻真先
  • 発売日: 2023/12/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




2024年1月に読んだ3冊目の本です。
辻真先の「迷犬ルパン異世界に還る」
ソフトカバーの単行本です。
この本、amazon で購入しましたが、通常の商業出版社から出たものではありません。
amazonの登録情報は以下のようになっています。

ASIN ‏ : ‎ B0CPSRVJD3
出版社 ‏ : ‎ 辻真先 (2023/12/31)
発売日 ‏ : ‎ 2023/12/31
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 208ページ
対象読者年齢 ‏ : ‎ 10 歳以上
寸法 ‏ : ‎ 21 x 14.8 x 1.1 cm


なんにせよ、迷犬ルパンシリーズ完結編を読むことができてなによりです。
迷犬ルパンシリーズは、光文社文庫から出ているものはすべて買って読んでいるはずだと思います。
辻真先の作品の多くがそうであるように、非常に読みやすく軽く書かれているようですが、ミステリの押さえるべきポイントはきちんと押さえてあって、楽しく読み進めながら、「そうそう」とか「そう来なくっちゃ」とミステリファンが喜ぶ箇所があちらこちらにあって楽しい読書体験ができます。

amazon の作品紹介は
「1980年代に光文社のノベルスと文庫から刊行していた「迷犬ルパン」の令和版。犬でありながら名探偵だったルパン、実は異世界から転生してきた賢者であった。帰郷する彼と共に異世界へきてしまった中学生の少年少女が魔女や剣士と共に、跋扈する魔法の怪樹と戦って、ついでに現実世界の犯罪まで解決しちまうミステリ。表紙イラスト:いとうのいぢ」
と書かれています。

今回メインを務めますのは、朝日刑事やランではなく、ランの弟であるケンとその彼女である美々子。
ルパンの帰郷先である異世界での冒険がメインで、その前後を現実世界の事件が彩っている、という構成になっています。
なので、ミステリ色は薄目。
往年のファンとしてはその辺はちょっと寂しい気もするのですが、ケンが主役を張るというのと平仄が合っています。
それでも温泉地での事件ということで、ミステリらしいポイントを押さえて、こちらの心をくすぐってくれます。

かなりの部分を占める異世界での冒険は、どうやって敵を倒すかという王道の物語になっていまして、作者が拡げた空想の翼に乗って、現実離れした(異世界ですから当たり前ですが)世界に浸ることができました。

しかし、異世界でのルパンの姿がなぁ......
表紙のイラストにも描かれているのですが、まさか、こういう姿だったとはなぁ。
サファイアの方はまあ範囲内ですが、ルパンは相当思い切った姿(笑)。
でもまあ、こちらの世界へやってきて、朝日刑事たちに事件解決のヒントを与えていくという役目からすると、ふさわしい姿なんですけどね。

異世界に還ってしまったルパン(とサファイア)。
これでお別れ、ということなのかとは思いますが、数多くのシリーズが緩やかに、しかししっかりと結びついている辻真先ワールドですから、またどこかで、ひょいと(犬の)ルパンが出て来てくれないかな、と思います。







タグ:辻真先
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