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滅びの花園 [日本の作家 赤川次郎]

滅びの花園
赤川次郎
岩波書店




ミヒャエル・エンデの主人公少年バスチアンのその後を描いたファンタジー。
タイムスリップして、暴君ネロのいるローマへ!
作者自らもあとがきで『一つは「悪」と割り切ってしまう人間を登場させないこと。最近のファンタジーには、しばしば「悪の帝国」とか「悪の軍団」という「敵」が登場しますが、私には世界を「善と悪」に分ける考え方そのものが受け容れがたいのです。人は同じ心の中に、善も悪も持っているものでしょう』と書いている通り、最近の赤川次郎の作品の登場人物の典型のようなかたちでネロが描かれています。
登場人物の造型が常にそうなるようになっているため、ストーリーの展開が予想しやすくなってしまっています。この作品はファンタジーなので欠点とはいえないかもしれませんが、ミステリというジャンルの作品の場合、大きな欠点といえるのではないでしょうか?
赤川次郎の場合、読者は小中学生というケースも多いので、それでよいという意見もあると思いますが、ミステリ好きとしてはちょっと残念な感じがしています。
タグ:赤川次郎
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