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ワイルドファイア [海外の作家 た行]

ワイルド・ファイア
ネルソン・デミル
講談社文庫


ワイルドファイア 上  (講談社文庫 て 11-9) ワイルドファイア 下 (講談社文庫 て 11-10)ワイルドファイア 上 (講談社文庫 て 11-9)

ワイルドファイア 下 (講談社文庫 て 11-10)

  • 作者: ネルソン・デミル
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/05/15
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
9・11から一年後のアメリカ。右翼の秘密クラブを監視する任務に就いていた捜査官が消息を絶った。連邦統合テロリスト対策特別機動隊の同僚、ジョン・コーリーは上司の指示に逆らい、対象への正面突破を試みる。厳重な警備態勢の下で企てられていた恐るべき計画が、発動するーー。《核兵器による最終戦争(ハルマゲドン)》! <上巻>
全世界を破壊する陰謀に迫りながら、当局に追われる身となったコーリー。だが、同行する妻、ケイトと手を携え、彼は抜群の智力、行動力、不屈の精神力をもって核心に肉薄する。人類滅亡へのカウントダウンを阻止せよ!サスペンスの名匠デミルが、恐怖の時代の幕を開く戦慄の機密情報を基に放つ超衝撃作。 <下巻>

ネルソン・デミルといえば、いずれも分厚く、上下巻で、たっぷり楽しめる作品を書いてくれる信頼印の作家です。この作品は、「プラムアイランド」、「王者のゲーム」、「ナイトフォール」に続く、ジョン・コーリーものの第4作。
ジョン・コーリーが出てくる作品は、骨太な冒険小説の骨格に、コーリーの軽口というか無駄口というか減らず口というかが、衣装として着せられています。とにかく真面目第一というかたにはおすすめしません。また、上司の指示・命令に逆らってばかりの主人公という、典型的な枠組みがきちんと守られており、進み方が乱暴といえば乱暴、単純と言えば単純な展開をとることも、そしてその主人公の判断が常に正しいことも、馬鹿にしている、常識からいってありえないと、受け付けられないかたにもおすすめできません。
タイトルとなっている「ワイルドファイア」とはアメリカ政府の秘密計画で、作者はしがきで、作者の創作だと書かれていますが、同時に、「類似した計画が実在すると信じている」とも述べられていて、なんだか穏やかではありません。この計画の内容(と敵の狙い)を探ることが、通常の冒険小説では読者の興味をつなぐ一つの重要な要素となるのですが、この作品では割と早い段階で、あっさり明かされてしまいます。そのおかげもあってか、計画推進側の展開が描かれることは少なく、プロットは非常にすっきり単純化されています。
つまり、ジョン・コーリーの活躍を、やりすぎなところがあっても、「おいおい」とか「こらこら」とかつっこみながら、 素直に楽しめばよいわけで、1泊1,200ドルもする高級リゾートホテルのシーンをとっても、そのことは明らかだと思います。そうすれば、充実した読書時間が過ごせると思います。
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