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密偵ファルコ 地中海の海賊 [海外の作家 た行]

密偵ファルコ 地中海の海賊
リンゼイ・デイヴィス
光文社文庫


地中海の海賊 (光文社文庫)

地中海の海賊 (光文社文庫)

  • 作者: L・デイヴィス
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/05/13
  • メディア: 文庫



<裏表紙あらすじ>
ローマ「日報」の特ダネ記者が、交易の中心地オスティアで消息を絶った。捜索を依頼されたファルコは、これ幸いと家族ぐるみで猛暑のローマを脱出、港町での開き込みを始める。親友の警備隊長ペトロもまた、当地に駐留しており、都合がよい。--身代金誘拐グループの背後には、すでに駆逐されたはずの「地中海の海賊」が暗躍しているらしい。最大の問題は、カナヅチのファルコが、海を苦手としていることだった…。

密偵ファルコシリーズもこの作品で16作になるんですねぇ。
古代ローマ時代でハードボイルド、というコンセプトでスタートしましたが、ファルコが結婚し、子供が産まれ...ずいぶん趣が変わってきているように思います。
もっとも、このシリーズは、事件がファルコの家族・親族に近ければ近いほど楽しめるように思っていますので、悪い変化ではないと思っています。
この作品は、ローマを離れ、港町オスティアをメインの舞台としていますが、きちんと(?)ファルコの親族も登場します。しかも、ちょっと変わった登場ですので、シリーズ読者には十分楽しめると思います。事件とどう絡んでいるのか、あるいは、絡んでいないのかは、ネタばれになるかもしれないので、読んでのお楽しみということで。
あっさりと語られていますが、事件のほうもいくつかの出来事が絡み合って、わりとプロットは入り組んでいる、というか、手の込んだことを仕掛けている印象で、最後どたばたと駆け足で種明かしがされるのがちょっともったいない。読者への目くらましをもう少し仕込んでおけば、一層意外感を演出できたのではないかと思います。
次作「最後の神託」が訳された後、翻訳が途絶えているようなのが気になります。
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