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秘密 トップ・シークレット (1) [コミック 清水玲子]


秘密―トップ・シークレット (1) (Jets comics (234))

秘密―トップ・シークレット (1) (Jets comics (234))

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2001/12
  • メディア: コミック


<帯あらすじ>
大統領殺害の真相は、生前の脳が見た映像を再現するMRIスキャナーを使った捜査により白日の下に曝された。それから5年後、日本の犯罪史上類をみない連続殺人事件と相次ぐ少年の自殺とを結ぶ衝撃の事実が、MRI捜査によって明らかになった!

コミックです。
清水玲子さんの作品は、少女マンガでありながら(というと少女マンガに失礼ですが)、「竜の眠る星」 (白泉社文庫)「月の子」 (白泉社文庫)「輝夜姫」 (白泉社文庫)(リンクはいずれも第1巻に張っています)とSF的な舞台設定で堅固な物語世界を作り上げていてファンなのですが、1999年(雑誌発表時)に始まったこの「秘密」は捜査官が主人公となるもので、ミステリに近くなるかな、と勝手にいつも以上に期待していまして、すでに第10巻まで出ていて全て購入済です。積読を片付けるのに(コミックまで積読で恥ずかしい)、改めて1巻から再読してみようと思いました。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定です。
第1巻には2話収録されています。
第1話である「秘密 トップ・シークレット 1999 」はアメリカ大統領殺害を扱っていて、犯人を突き止めるために大統領が見ていたものを再生してみる、というかたちです。物の見方は人それぞれ、見る者の主観に左右されるので、映される映像は大統領の主観という、考えてみれば当然そうだろうなと思われるポイントがストーリーのキーとして有効に機能しています。この作品がシリーズ全体の導入部となります。タイトルの「秘密」という語の持つ意味が強く印象に残ります。
第2話「秘密 トップ・シークレット 2001 」以降は舞台を日本に移して、科学警察研究所 法医第九研究室(略して第九)が登場します。
第1話では死者に焦点が当たっていたのに対して、こちらは捜査する側、映像を見る側に焦点があたっていて、同じSF的設定が別の角度から提示されます。
少女マンガですので「絵柄に抵抗感がなければ」という限定をつけたほうがよいかもしれませんが、ぜひ男性にも読んでみていただきたい、と思います。
内容的に、惨死体とか出てきて、書きようによっては結構グロくなりそうですが、ベースがきれいな絵なので、さほどいやな感じはしませんでした--こちらが鈍感なだけかもしれませんが...最初はいわゆる美形の登場人物の見分けがつきにくいですが、そのうち慣れます!
少女マンガだからというだけで読まずにいるのはもったいない。SF的な設定を出発点として、次々と繰り出される物語世界に浸ってください。
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