幽霊注意報 [日本の作家 赤川次郎]
<表紙袖あらすじ>
以前、殺人事件があったという古い四階建てのビル。心霊スポットを紹介するテレビ番組の撮影で訪れたタレント・安西久士が、何者かに毒殺される。現場に向かった宇野警部と恋人・夕子の前に現れたのは、くたびれた感じの安西の妻・涼子。涼子は突然の悲報に悲しむでもなく、夫は自分が持たせた手作り弁当を食べたはず、と自らが疑われるようなことをわざわざ言い出すが……。
大人気「幽霊シリーズ」第二十三弾。
赤川次郎のデビュー作である「幽霊列車」 (文春文庫) からスタートした幽霊シリーズももう第23弾なんですね。
実はブログを始めてから読んだのに、前作「幽霊晩餐会」 の感想は書かずにいました。こちらの書影も Amazon から張っておきます↓ あとあらすじも。
<表紙袖あらすじ>
都内屈指の高級フランス料理店が生き残りを賭けて開いた新メニューの試食会。豪華なフルコースの晩餐になぜか宇野警部とその恋人・夕子が招待された。
シェフが二人にそっと耳打ちする。「今夜、誰かが私を殺そうとしているのです」
周りは個性的な招待客ばかり。犯人はこの中の誰なのか?謎と疑惑の晩餐会が幕を開ける。
宇野警部と女子大生・夕子の推理がさえる、大人気「幽霊シリーズ」第二十二弾。
最初のころはミステリらしい作品でしたが、さすがにこのあたりにくるとミステリとしてはかなり薄味になります。新味も感じられません。
ずーっとお馴染みのキャラクターを中心に、安定した、手慣れた世界が展開されます。
このシリーズに限らず赤川ミステリの特徴ともいえる人情話的性格が強く感じられます。ということを考えると、現代を舞台にした、捕物帳、といえるかも。
最初の頃の、切れ味鋭いミステリが懐かしくもありますが、手頃で(=気軽に読める)、すっと馴染むブランケットのような今の作品世界も、きっと広く支持されているのでしょう。
ところで、「幽霊注意報」の帯と裏表紙の袖にシリーズの既刊が載っているのですが、第二十三弾と書いてあるのに、21作しか書いてありません。前作「幽霊晩餐会」 のときには全作書いてあったのですが、第6作「幽霊園遊会」 (文春文庫)と第12作「幽霊結婚」 (文春文庫) が省かれています。なぜだろ? 絶版!?
あと、永井夕子ということでは、番外編「知り過ぎた木々」 (文春文庫) もありますね。
<2014.4追記>
今月文庫化です。書影とリンクを貼っておきます。
おはようございます。
赤川さんの幽霊シリーズ健在なんですね~(^^)
学生時代は赤川作品を片っ端から読んでいたので
三毛猫ホームズシリーズや杉原爽香シリーズなど
懐かしいです。
最近は赤川作品は全然読んでないんで読みたくなりました。
by macaron (2012-02-20 07:03)
macaronさん、ご訪問&コメントありがとうございます。
赤川作品をずーっと読み続けていますが、往年の作品とはずいぶん違ってきているものの、一定の水準を保っているのはすごいことだなぁ、と思っています。
数あるシリーズも一部を除いて続いています。
ただ出版点数が多いので、このブログに占める赤川作品の割合が高くなり過ぎるという問題があるのですが...
by 31 (2012-02-20 19:43)