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シルバー・スター [海外の作家 は行]

シルバー・スター (講談社文庫)

シルバー・スター (講談社文庫)

  • 作者: ディヴィット・ハンドラー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/01/15
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
コネティカット州の閑静な村ドーセット。映画批評家ミッチ・バーガーが住むこの地は、若きハリウッド・スター夫婦と二人を追うマスコミのせいで最近騒がしい。そして突然起きた、衝撃的な転落死事件。ミッチと女性駐在デズが死の真相を探る中、人々の意外な素顔や関係が明らかに……。人気シリーズ第3作。

「ブルー・ブラッド」 (講談社文庫)
「芸術家の奇館」 (講談社文庫)
「シルバー・スター」 (講談社文庫)
「ダーク・サンライズ」 (講談社文庫)
「ゴールデン・パラシュート」 (講談社文庫)
と今のところ5冊目まで訳されているシリーズの3番目。
作者のデイヴィッド・ハンドラーは「笑いながら死んだ男」 (講談社文庫)で始まるホーギー・シリーズの頃から愛読しています。どちらかというと、今のバーガー&ミトリー・シリーズよりも、ホーギー・シリーズのほうが好みにあうのですが、バーガー&ミトリー・シリーズもそれなりに楽しんで読んでいます。
都会的なセンスと語り口がハンドラーの長所(ホーギー・シリーズの長所というべきかも)だと思うのですが、こちらのシリーズは、田舎に舞台を移したから、というだけではなく、ちょっともたついているところがあると思っています。会話も、ホーギーほど洒落ていない...
さて、ミステリとしては、冒頭のプロローグで事件のシーンが描かれ、その後時間が巻き戻されて、バーガーたちが事件に出会うまでを描いていく、という構図です。
人間関係から事件が浮かび上がる、という現代ミステリならではの手順はしっかり守られていますので、安心して読むことができます。
真相というか、謎解きの肝となる部分は、非常にありふれた、陳腐といってもいいくらい手垢のついたアイデアなのですが、うまく物語に溶け込ませてあります。そのあたりはハンドラーの腕というか、ナチュラルに読めます。
これからも新刊が出れば、買って読むと思います。
それにしても、もうホーギー・シリーズは書かないんでしょうね。

<おまけ>
このシリーズの原題、
1.The Cold Blue Blood ( 2001)
2.The Hot Pink Farmhouse (2002)
3.The Bright Silver Star (2003)
4.The Burnt Orange Sunrise (2004)
5.The Sweet Golden Parachute (2006)
6. The Sour Cherry Surprise (2008)
7. The Shimmering Blond Sister (2010)
8. The Blood Red Indian Summer:(2011)
9. The Snow White Christmas Cookie (Oct 16, 2012 発売予定)
となっていまして、それぞれ色が織り込まれているのと(最後のcherryはちょっと苦しい?)、かつ、6までは2つずつ対になっている、という趣向ですが、邦題にはまったく反映されていないのが残念です。文庫カバーでは、なんとかがんばっている跡がうかがわれます。こういうお遊びも、ミステリを楽しむうえでは重要だと思うので、訳者と出版社にはがんばってほしいのですが...

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