警官倶楽部 [日本の作家 大倉崇裕]
<裏表紙あらすじ>
二人の制服警官が悪徳宗教団体の裏金運搬車を襲撃した! だが、彼らは本物の警官ではなかった。鑑識、盗聴、銃撃など、本職顔負けの技を持つ警察愛好家サークルの一員だったのだ。ひたすらに警察と正義を愛する善良なオタクたちがなぜ強盗を!? さらに現金奪取直後、仲間の息子が誘拐されて……。ハートは本物より熱い異色の「警察」小説、ここに登場。
「無法地帯 ― 幻の ? を捜せ!」 (双葉文庫) の姉妹品でしょうか? あちらは食玩を愛するマニアでしたが、今度は警官/警察マニア。 マニアというよりは、オタクというべきかな?
本物よりも本物らしい、というか、本物より熱意ある(?)彼らの活躍がとてもおもしろい。
日本では私立探偵を含めて素人が事件を捜査するのは無理がある、というのはミステリがよく受ける指摘ですが、こういうかたちで素人が活躍する可能性を切り開いた点はすごいなぁ、と感心しました。
事件のほうも実力派(?)の主人公たちにあわせたのか盛りだくさんで、多くの登場人物を織り込んだプロットになっています。しっかりしたプロットを背景に、コメディタッチの活劇が繰り広げられる作品です。
誘拐に関して、ゲームみたいだ、というセリフも出てきますが、誘拐という卑劣な犯罪であっても、怪しげな宗教団体とか、悪徳高利貸しとかを登場させても、後味が悪くないのはポイント高いと思います。
続編があってもおかしくないラストになっていますので、ぜひ続編を書いてもらいたいです。
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