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少年は残酷な弓を射る [映画]

少年は残酷な弓を射る.jpg

映画です。
予告編で、「とり憑かれるほど恐ろしいミステリー映画 -New York Times- 」なんていうもんで、つい...でも、これ、ミステリではありませんね。

<ストーリー>--「シネマトゥデイ」HPから引用します。
自由を重んじ、それを満喫しながら生きてきた作家のエヴァ(ティルダ・スウィントン)は、妊娠を機にそのキャリアを投げ打たざるを得なくなる。それゆえに生まれてきた息子ケヴィン(エズラ・ミラー)との間にはどこか溝のようなものができてしまい、彼自身もエヴァに決して心を開こうとはしなかった。やがて、美少年へと成長したケヴィンだったが、不穏な言動を繰り返した果てに、エヴァの人生そのものを破壊してしまう恐ろしい事件を引き起こす。

ね? ミステリではないでしょう。
Amazon.co.jp にある原作ライオネル・シュライヴァーの翻訳「少年は残酷な弓を射る」 (上) (下)(イーストプレス)のあらすじもチェックしてみると

キャリアウーマンのエヴァは37歳で息子ケヴィンを授かった。
手放しで喜ぶ夫に対し、なぜかわが子に愛情を感じられないエヴァ。
その複雑な胸中を見透かすかのように、ケヴィンは執拗な反抗を繰り返す。
父親には子供らしい無邪気さを振りまく一方、母親にだけ見せる狡猾な微笑、多発する謎の事件・・・・・・
そんな息子に“邪悪”の萌芽をみてとるが、エヴァの必死の警告に誰も耳を貸さない。
やがて美しい少年に成長したケヴィンは、16歳を迎える3日前、全米を震撼させる事件を起こす――。
100万人が戦慄した傑作エモーショナル・サスペンス!
女性作家の最高峰・英オレンジ賞受賞作。

こちらのほうがわかりやすいですね。
現在と過去の回想とが並列して描かれていきます。自分にだけ反抗的な子供とのやりとりと、何かが起こった後でめちゃくちゃになってしまっているエヴァの生活と(刑務所らしきところに面会に行くシーンも折々はさまれます)。
なにかとてつもなくいやなことが起こったことはわかるのですが、それがいったいなんなのか。知りたいような、知りたくないような... 
引き込まれるように見てしまったのは、やはり主演のティルダ・スウィントンが素晴らしいからでしょう。

原題は「WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN」 ある意味そのままのタイトルですね。
邦題もなかなかいいなぁ、と思いました。
どことなく萩尾望都風(「残酷な神が支配する」)に思えるところもいいなぁ、と。
こちらは勝手に、吉野朔実(「少年は荒野をめざす」)なんかを思い出したりしたのですが...
邦題はネタバレといっている人もいましたが、そんなことを気にする作品ではないし、ネタバレというには途中の話の展開でも弓は重要に絡んでいますから、非難するには及ばないと思います。

夫には無邪気な(?)笑顔をみせるのに、母親の自分にだけは裏の顔というか悪意を投げつけてくる子供。
どうして私にだけ? という悩みでしょうが、ある意味、母親であるエヴァだけは、ケヴィンにきちんと向き合っていたからなのかもしれません。
"WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN" と、現状をなんとか打開すべく話しかけようとしても真剣に取り合わない父親の姿は、そんなあたりもあらわしているのかも。

<超蛇足>
観た劇場は、日比谷のシャンテだったのですが、座席の背もたれの高さが低くて、すごーく疲れました。
きっちり頭までカバーしてくれると楽に観られていいのに~
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