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憧れの少年探偵団 [日本の作家 あ行]


憧れの少年探偵団 (創元推理文庫)

憧れの少年探偵団 (創元推理文庫)

  • 作者: 秋梨 惟喬
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/11/11
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
僕は歌川時雄。江戸川乱歩の少年探偵団シリーズが大好きで、ずっと憧れている。頭脳とチームワークで名うての大悪党と対決、何たって恰好いいもんね。そんな探偵団を作れたら最高だけど、身近に明智小五郎ばりの大人はいないし、探偵団なんて夢のまた夢だと思っていた。名探偵がいないんじゃ話にならないからさ。……ところが現れたんだよ、桃霞西小学校に正真正銘の名探偵が!

第2回創元推理短編賞(1995年)に応募した作品「憧れの少年探偵団」(「推理短編六佳撰」 (創元推理文庫) に収録されているようです)を改稿したものが第1話目の「クリスマスダンス」。
第1話で当初、作者は少年探偵団論が書きたかったそうですが、たしかに魅力的な意見が展開されています。シリーズ化は考えていなかったとのことで、今回の作品集の成立過程については、作者あとがきに詳しく書かれています。
大人向けの小説で、主人公(?)が少年探偵団、というのが一番のポイントですね。現代っ子らしく(?)少年探偵団を神聖視、絶対視していないのもよいところを突いていると思います。
後半で、日常の謎に近づくような設定が持ち込まれていますが、謎はミステリとして配慮されているように感じました。
子供が読んでも楽しめるようになっていますが、ちゃんと大人向きだと思います。
名探偵以外の団員(?)が順に語り手をつとめることで、それぞれの立場が明示され、探偵団が立体的に浮かび上がる仕掛けになっています。また、小学生でありながら、名探偵の月岡君が、名探偵の苦悩を背負っているところがいい。
シリーズ第2冊目も準備されているようなので、その際、ミステリとしての趣向もなおざりにせず、凡庸な日常の謎に堕してしまわないようにお願いしたいです。

タグ:秋梨惟喬
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