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被害者は誰? [日本の作家 な行]


被害者は誰? (講談社文庫)

被害者は誰? (講談社文庫)

  • 作者: 貫井 徳郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/05/16
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
豪邸の庭に埋められていた白骨死体は誰なのか? 犯人が黙秘を貫く中、警察は押収した手記をもとに、被害者の特定を試みるが……。警視庁の桂島刑事から相談される、迷宮入り寸前の難事件の数々。それを解き明かすのは、頭脳も美貌も態度も規格外のミステリー作家・吉祥院慶彦。痛快無比! 本格推理の傑作。

短編集ですが、各編のタイトルが
「被害者は誰?」
「目撃者は誰?」
「探偵は誰?」
「名探偵は誰?」
というもので、これだけでも飛びつく価値あり、と思われるミステリファンも大勢いらっしゃるのではないかと思います。
犯人以外のものを探すというのは、パット・マガーが「被害者を捜せ!」 (創元推理文庫)で始めた趣向で、パット・マガー自身そのあと、「探偵を捜せ!」 (創元推理文庫)「目撃者を捜せ!」 (創元推理文庫)などいろいろな趣向に挑んでいます。
貫井徳郎のこの本は、1冊でいろんな趣向が楽しめるのでお得です。
しかも、貫井徳郎のことですから、読者を騙してやろうと、腕によりをかけていますので、騙されないように、すべてを疑ってお読みください。手記とか作中作もありますので、警戒は怠りなく。名探偵・吉祥院先輩と、桂島刑事のやりとりがギャグっぽいのに目をくらまされてはいけません。笑いの要素が、軽妙というよりは、ちょと泥臭いのがちょっと残念ですけどね--まあ、これは趣味の問題ではありますが。
貫井徳郎の本領はやはりシリアスな作品にあるような気もしますが、肩の力を抜いたような作品でもミステリ面では手は抜いていないので、安心して読めます。

タグ:貫井徳郎
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コースケ

これすごく好きです!
僕は後半の二編の作中作や読者へのしかけ、よりも
前半二編の方が楽しめました。
by コースケ (2013-01-11 20:32) 

31

コースケ さん、いつもコメントありがとうございます。
貫井徳郎は、叙述トリックも切れ味ありますが、メタとか叙述トリックとかを使わなくても、十分に読者を楽しませてくれる実力の持ち主ですよね。
いつも楽しみに読んでいます。
by 31 (2013-01-11 23:09) 

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