オーダーは探偵に 謎解き薫る喫茶店 [日本の作家 あ行]
オーダーは探偵に―謎解き薫る喫茶店 (メディアワークス文庫)
- 作者: 近江 泉美
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 文庫
<裏表紙あらすじ>
就職活動に疲れ切った女子大学生・小野寺美久が、ふと迷い込んだ不思議な場所。
そこは、少し変わったマスターと、王子様と見紛うほど美形な青年がいる喫茶店『エメラルド』だった。お伽話でしか見たことがないその男性に、うっかりトキメキを感じる美久。……が、しかしその王子様は、なんと年下の高校生で、しかも口が悪くて意地悪で、おまけに『名探偵』で……!? どんな謎も解き明かすドSな『探偵』様と、なぜかコンビを組むことになった美久。謎解き薫る喫茶店で、二人の騒がしい日々が始まる。
以前、「珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」 (宝島社文庫)の感想(リンクはこちら)で、「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」 (メディアワークス文庫)との比較から、「これは、もう、立派なエピゴーネン??」なんて書きましたが、今、深く反省しています。
エピゴーネンとは、この「オーダーは探偵に―謎解き薫る喫茶店」にこそふさわしい。
「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」から、「珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」 へは、業態が古書店から喫茶店に変わって変化がありましたが、「珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」 から「オーダーは探偵に―謎解き薫る喫茶店」へは、そのまんま喫茶店。
一応、「珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」 では、女性バリスタ(従業員)と男性客というふたりが主要人物で、そのうち女性が探偵だったのが、こちらは、女性アルバイトと店主の弟というふたりが主要人物で、そのうち男性が探偵という、それくらいの変化はついていますが、それだけ、です。
キャラクター設定も、帯には「腹黒い王子様」とありますが、魅力的には思えませんでしたし、視点人物である女性アルバイトもあまり共感できるようには描かれていないように思えます。
話ごとに、長さが全然違うところは面白い点だとは思いますが、それがなにかの趣向につながっているわけではないような...
各話の謎解きも、他愛のないものですし、あまり見るべきところを見出すことができませんでした。
しかし、それでも続編「オーダーは探偵に 砂糖とミルクとスプーン一杯の謎解きを」 (メディアワークス文庫)が出ていますし、amazon によれば11月にはさらに3巻目の「オーダーは探偵に グラスにたゆたう琥珀色の謎解き」 (メディアワークス文庫)も出るようですし、人気はあるようですね。
コメント 0