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シャーロッキアン! 4 [コミック]


シャーロッキアン!(4) (アクションコミックス)

シャーロッキアン!(4) (アクションコミックス)

  • 作者: 池田 邦彦
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2013/07/12
  • メディア: コミック




<裏表紙あらすじ>
堅物の車教授と、活発な女子大生・愛里がバディとなってさまざまな悩める市井の人びとのために力を合わせて謎に挑む!
読めば気分爽快!のあざやかな推理の数々と、じんわりと胸が暖まる、誠実な優しい目線で描かれる人間ドラマ、1000万円超のホームズ本入手? そしてアガサ=クリスティ失踪の真相とは!?
ミステリーとしても大人の恋愛物語としても楽しめる大ヒットシリーズ。


シリーズ第4弾ですが、出ていたことに気づいていませんでした。ようやく買いました。
第3巻が出たのが amazon.co.jp によると2012年4月で、この第4巻が2013年7月ですから、なんと1年以上も経って続刊が出たのですね。

第3巻の感想を書いた回(リンクはこちら)では、
「このあと第4巻って、ないんじゃないかな、なんて思いながら読んでいたら、巻末に続きが予告されていました!」
と書いたのですが、今回カバー袖の作者のことばでも、
「前回の第3巻でお話が急展開したせいか、これで終わるのでは……とご心配いただいた方も多かったようですが、こうして無事、第4巻をお届けすることができる運びとなりました」
とあります。同じような感想を持った方、多かったんでしょうね。
同時に、
「『謎』に焦点を当てたシリーズの今後に期待します!」
という感想も述べていたのですが、こちらについても作者は
「今回は初心にかえって、シャーロッキアン的な題材をめぐる『冒険』を描くことを主眼に置きました」
と回答を寄せてくれています(いや、偶然ですって...)。

確かに、車教授と愛里のエピソードに一応のめどがついたせいか、謎がお話の中心になっています。
第4巻には
「カレーの問題」
「ビートンのクリスマス年鑑」
「騎士と漱石」
「アガサ・クリスティの失踪」
の4つの物語が収録されています。

注目すべきはやはり、「アガサ・クリスティの失踪」だと思いました。
クリスティは実在の人物で、ホームズは架空の人物じゃないか、なんて野暮は言いっこなし。非常に興味深く、ロマンチック(?) な説が展開されています。
車教授と愛里のエピソードなんかいらないから(失礼!)、クリスティの話だけで1話を成立させてほしくなるくらい、これは素晴らしい。
ぜひ、ぜひ、お読みください。

ところで、ぼくがボケているだけなんですが、シャーロック・ホームズってもっともっと古いのかと勘違いしていました。
最後の短編集「シャーロック・ホームズの事件簿」 (創元推理文庫)に収められている「ショスコム荘」が「ストランド・マガジン」に掲載されたのは1927年4月号ということですから、20世紀に入ってからも出ていたんですねえ。日本でいうと昭和2年。まだ100年経っていないじゃないですか!!
デビュー作である「緋色の研究」 (創元推理文庫)が出たのが1887年ということなので、40年にわたってホームズシリーズは発表されたということかと思いますが、ひとりでびっくりしていました。
ガス灯だ、パイプだ、ステッキだ、馬車だ、というからてっきりもっともっと古いと。
でも、考えてみたらちっとも不思議ではありませんね--というか、己の浅はかさに悲しくなりました。
だって、この「シャーロッキアン! 4」 でも紹介されていますが、たとえば、夏目漱石がシャーロック・ホームズと会っていた、というのは日本のミステリファンにはお馴染みの名作にもあるエピソードではないですか。それと照らし合わせてみれば、不思議でもなんでもありません。

クリスティのデビュー作「スタイルズ荘の怪事件」 (ハヤカワ・クリスティー文庫)も、クロフツのデビュー作「樽」 (創元推理文庫)も1920年の発刊ですから、この二人はコナン・ドイルと活動期間が短いとはいえかぶっているのですね!
1926年に「ベンスン殺人事件」 (創元推理文庫)でデビューしたS・S・ヴァン・ダインもかろうじて重なっています。
クイーンの「ローマ帽子の謎」 (創元推理文庫)が1929年、カーの「夜歩く」 (創元推理文庫)が1930年なので、この二人は重なっていませんが、そんなにずれてはいない。
ポー(「モルグ街の殺人」は1841年)と同様、ドイルは、図抜けて古い作家なんだと思い込んでいました。ミステリファンとして恥ずかしいです...


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