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凍れる森 [海外の作家 は行]


凍れる森 (講談社文庫)

凍れる森 (講談社文庫)

  • 作者: シ-・J・ボックス
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/10/14
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
広大なワイオミング州の自然と家族を愛する猟区管理官ジョー・ピケットはエルクの大量殺戮現場に遭遇。違法ハンターを追い詰めるも、死体で発見する。森林局のキャリアウーマンと好戦的なFBI捜査官は、森でキャンプを張る反政府グループに目を付けるが。新人賞独占のデビュー作を超えたシリーズ最新作。


「沈黙の森」 (講談社文庫)に続く、シリーズ第2作です。
あらすじには、最新作とありますが、この本が出版されたのは2005年10月。この後、
「神の獲物」 (講談社文庫)
「震える山」 (講談社文庫)
「裁きの曠野」 (講談社文庫)
「フリーファイア」 (講談社文庫)
と順調に巻を重ねていまして、この8月には
「復讐のトレイル」 (講談社文庫)
が訳されています。
原書では、「沈黙の森」とこの「凍れる森」 の間に、「Savage Run」という作品が入るようです。講談社さん、「Savage Run」もちゃんと訳してくださいね。

このシリーズは、ワイオミングの森林を中心とした自然を背景にして、主人公ピケットの家族の物語を奏でつつ、事件を追う、という構造になっています。
このピケットが、いい奴なんです。
ミステリーとしての事件の部分よりも、この人物像がいい、と言ったら叱られるかな? でも、ピケットにまた会いたくなってこの「凍れる森」 を買いました。
確固たる自分を持ち正義を愛する、というと、冒険小説なんかでよくある人物設定ですが、と同時に、よき父親であり夫であろうとする、よき家族人であろうとする、というところがポイントですね。等身大、というのはちょっと立派過ぎる感じもありますが(到底、こんな強靭な人間にはなれない...)、誇り高いピケットを応援したくなります。
この「凍れる森」 でも、事件は大仰なもので、ちょっと「おいおい」といいたくなるところがありますし、「森林局のキャリアウーマンと好戦的なFBI捜査官」とあらすじで書かれている、いかにもな悪役も、いかにも過ぎて...というところはありますが、そこにピケットの養女エイプリルのエピソードが絡み合って、一体感あるストーリーが展開します。
アメリカって、何事においても荒っぽいなぁ、と思いながら、ピケットの身になって、ハラハラ、どきどきできます。

ゆっくりゆっくりではありますが、シリーズを順々に読み進めていければと思います。

原題:Winterkill
作者:C. J. Box
刊行:2003年

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