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C.M.B.森羅博物館の事件目録(10) [コミック 加藤元浩]


C.M.B.森羅博物館の事件目録(10) (講談社コミックス月刊マガジン)

C.M.B.森羅博物館の事件目録(10) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/01/16
  • メディア: コミック



この第10巻は、
「その差6千万年」
「釘」
「地球最後の夏休み」
「ヒドラリウス」
の4話収録です。

「その差6千万年」は、約6千5百万年前に滅んだ恐竜と、4、5百年前に現れた人類と2種類の化石が、6千万年の差を超えて同じ地層で発見される、というものです。
森羅が明かす真相って、意外なのでしょうか? 素人のぼくでもすぐに思いつきましたし、森羅に
“驚異の部屋(ヴァンダー・カンマー)をご案内します”
と大見得きってもらうほどのものではないのでは?
科学ドキュメンタリーのディレクターはともかく、古生物学者が気づかないことはないのでは?

「釘」は、このご時世にワラ人形、です。
ワラ人形を合理的に取り扱おうというところが良いですね。
ただ、この「釘」も、森羅が指摘するポイントがあまりにも...
それだけ犯人の考えが至らないということではありますが。
こちらが田舎育ちだからでしょうか? 都会の人は知らないのかな?
すくなくとも警察は騙されたりしないと思います。

「地球最後の夏休み」は、長さ100メートルほどの洞窟で消えた少女と響く不気味な笑い声という怪談です。
トリックというか仕掛けは他愛のないもので取り立てて言うほどのものでもないのですが、その動機とそれを受けて最後にある登場人物が話す内容がいい感じです。
ちょっと大げさなタイトルも、それを考えると印象深いですね。

「ヒドラリウス」は、北イタリアの山上の音楽堂での怪死を扱っています。
このシリーズですっかりおなじみの、闇市場のブローカーのマウ・スガールも登場します。
タイトルの「ヒドラリウス」というのは、「紀元前370年頃クテシビオスにより発明されたといわれている」「水の力で空気を送り込んで笛を鳴らし、下の鍵盤で鳴らす笛を選んで演奏する楽器でパイプオルガンの原型になった」ものだそうです。
このトリック、そんなにうまくいくかなぁとは思うのですが、こういうの大好きです。コミックスなので図解でわかりやすいのもポイント。
森羅の謎解きを聞いて、マウ・スガールはこのヒドラリウスを売るのをあきらめるのですが、こういう曰くつきの物件、かえって価値が上がって高く売れるんじゃないでしょうか?

というわけで後半2作がお気に入りです。



タグ:加藤元浩 CMB
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