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鬼の跫音 [日本の作家 道尾秀介]


鬼の跫音 (角川文庫)

鬼の跫音 (角川文庫)

  • 作者: 道尾 秀介
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/11/25
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
刑務所で作られた椅子に奇妙な文章が彫られていた。家族を惨殺した猟奇殺人犯が残した不可解な単語は哀しい事件の真相を示しており……(「犭(ケモノ)」)。同級生のひどい攻撃に怯えて毎日を送る僕は、ある女の人と出会う。彼女が持つ、何でも中に入れられる不思議なキャンバス。僕はその中に恐怖心を取って欲しいと頼むが……(「悪意の顔」)。心の「鬼」に捕らわれた男女が迎える予想外の終局とは。驚愕必至の衝撃作!


「鈴虫」
「犭(ケモノ)」
「よいぎつね」
「箱詰めの文字」
「冬の鬼」
「悪意の顔」
の6編を収録した道尾秀介の第一短篇集です。
解説で京極夏彦が
「オカルト的なガジェットを捨て、ホラーの看板を下ろしても--道尾作品は怖い。
そして、たとえば推理小説としての体裁を放棄していてもなお--ミステリの醍醐味を備え持っている」
と述べているのが印象的でした。
というのも、この「鬼の跫音」 に収録されている作品は、ミステリとホラーのあわいをたゆたうような作品が多かったからです。
ミステリかホラーか、どっちだ。中途半端だ、と思う方もいらっしゃるかとは思いますが、この微妙な加減がポイントなのでしょう。
道尾秀介らしいミステリ的な仕掛けが、さまざまな作品でさまざまなかたちで弾けるのも見どころです。
それでいて、ミステリ的仕掛けがきわめて薄い「悪意の顔」がもっとも印象に残っているというのも、逆に個人的には興味深かったりします。
しかし、みごとに壊れてしまった人間がいっぱい出てきて、やはり怖いです。

<蛇足>
跫っていう字、これだけでも「あしおと」と読むんですね。



タグ:道尾秀介
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