C.M.B.森羅博物館の事件目録(14) [コミック 加藤元浩]
C.M.B.森羅博物館の事件目録(14) (講談社コミックス月刊マガジン)
- 作者: 加藤 元浩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/06/17
- メディア: コミック
この第14巻は、
「ワールド・エンド」
「すごろく」
「花屋の娘」
の3話収録です。
「ワールド・エンド」は、アルゼンチンが舞台で、“汚い戦争”を背景にしているだけあって、哀しい事件を扱っています。同時に、博物学者ジョセフ・バンクスがキャプテン・クックの航海に同行した際ハッケンしたとされるポンテンモンキチョウが取り上げられていて、こちらは採取地すらわからない幻の蝶だけに、ロマンチックな色彩も加わっています。
タイトルのワールド・エンドは、地の果てと世界の終りのダブル・ミーニングとなっています。
本筋ではないですが、立樹が「アルゼンチンにはひどい時代があったんだね」というのを受けて、森羅が「日本人が内戦を美化しすぎなだけだよ」と応えるのですが、ちょっと意味がわかりませんでした。
「すごろく」は、渡し手は確かに渡したといい、受け手は受け取っていないというお金の謎を扱っています。
タイトルの「すごろく」は、世界最古のすごろくとされる「ウル王朝のゲーム」が作中で紹介されることから来ているのですが、「今複雑に見えることも元を正せば実にシンプルだってこと」の喩えとして出すのはちょっと苦しいかなぁ。
事件(?) の解決は馬鹿馬鹿しくなるくらい単純ではありますが、おそらくこういうことは起こりえないと思ってしまいました。
「花屋の娘」はかなりストレートに殺人事件を取り扱っています。ただ、事件はあっけないですね。
マントヒヒのヒヒ丸が、ちらりと登場したので満足です。
ところで、表紙の踊っているの女の子、立樹に見えません...
と、第11巻(感想のリンクはこちら)と同様のコメントをつけておきます。
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