名もなき塀の中の王 [映画]
ずいぶん間が空いてしまいましたが、また映画の感想です。
映画のHPのあらすじは引用するには長すぎたので、いつものシネマ・トゥデイから、チェック欄とあらすじを引用します。
チェック:『パーフェクト・センス』などのデヴィッド・マッケンジーがメガホンを取り、『ベルファスト71』も好評だったジャック・オコンネルが主演を務めたサバイバルドラマ。まだ若く向こう見ずな主人公が、刑務所という過酷な空間で生き抜くために必死に戦い抜く姿を追う。不器用な父親を『アニマル・キングダム』などのベン・メンデルソーンが好演。閉じられた場所で繰り広げられる囚人たちの壮絶なバトルはもとより、最後に宿る希望の光が胸に響く。
ストーリー:あまりにも凶暴な19歳のエリック(ジャック・オコンネル)は要注意人物のらく印を押され、少年院から成人用の刑務所に移送される。独居房に入れられた命知らずの彼は、ほかの囚人たちに見くびられないようひそかに戦闘態勢に入る。そんなエリックにネビル(ベン・メンデルソーン)という男が忠告を与えに来るのだが、何とネビルはエリックが幼いころに生き別れた父親だった。
プリズンものというのでしょうか、“塀の中”を舞台にした映画や小説には名作・傑作がそれなりにあるように思いますが、この作品はどうだったでしょうか?
あらすじにもありますが、“塀の中”に父子関係を持ち込んだことが、新しさでもあり、不思議な感覚をもたらしてくれています。
“塀の中”の常として、暴力は必須項目ですが(主人公エリックも、体を鍛えていますし、武器を手作りし隠し持っています。また常軌を逸すると言えるくらい凶暴なところを見せます)、随所に喧嘩(?)シーンがあります。
とんがっているエリックは、当然、刑務所内の秩序を乱す存在であり、狙われます。シャワールームで、素っ裸のところを狙われたりもします。
また、セラピーで暴力傾向を抑える指導を行うカウンセラーもいます。
監獄内を牛耳っている囚人もいます。
ここに、父子関係が加わります。
それにしても、父親が刑務所内に(同室です)“恋人”がいる、という設定まで加わって、エリックもさぞ複雑でしょう。ただでさえこじれている父親との関係が...
メロドラマっぽくならないところはさすがで、観ていてすっきりなのですが(父子の物語ということで、センチメンタルになったりしてメロドラマっぽくなるといやだなぁと思ったので)、ハードな世界観の中、緊張感が続きます。
ラストも、ここで終わっていいのか、と思うところで終わります。それでいて、この映画はここが終わりなんだな、と納得したりもします。厳しい塀の中では、平穏なラストは似合わないのかもしれません。
ところで、原題の“STARRED UP”というのは、少年刑務所から途中で成人の刑務所に昇格(?) したという意味らしいです。主人公エリックのことですね。
主演のジャック・オコンネル(Jack O'Connell)がかっこよかったので、ほかの作品も観てみようかな、と思いました。
原題:STARRED UP
製作年:2013年
製作国:イギリス
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