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秘密 トップ・シークレット (8) [コミック 清水玲子]


秘密 8―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 8―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2010/07/29
  • メディア: コミック


<帯>
最高傑作シリーズ、第8弾!!
犯罪被害者の脳を取り出し、生前の映像記憶を再現する技術を駆使し、難解な事件の真相に迫る科学警察研究所・法医第九研究室。今回は地震発生後に、ある小学校で死者3名が見つかった事件。その原因は「震災」か「事故」か、或いは「事件」なのか!? 捜査が進むにつれ、思いがけない事実が明らかに…!!


2010年8月に出たコミックです。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定のシリーズです。
第8巻には「秘密 トップ・シークレット 2009 特別編 一期一会 A once-in-a-lifetime chance」と「秘密 トップ・シークレット 2010」が収録されています。

「秘密 トップ・シークレット 2009 特別編 一期一会 A once-in-a-lifetime chance」は、青木と三好先生の婚約祝いの宴会が舞台です。
三好先生と薪警視と、そして三好先生の死んだ恋人と、さらに青木と、この4名の関係、ややこしくてしょうがないですね。
宴会に来ないはずだった薪が私服で現れ、第九の将来像が語られる。番外編としては注目度高い作品です。
それにしても、青木、お前も十分おかしいよ(笑)。

「秘密 トップ・シークレット 2010」では新キャラ登場です。
副検事を5年やって、国家公務員Ⅰ種試験を受けなおして「第九」を目指した、36歳だけど36歳には到底見えない山本賢司。
第九の捜査対象として、脳に障害があって、きちんと目には見えているのに人の顔や形を認知・判断できない少年から見た世界が扱われるのですが、この山本も似た(と言ってしまってはいけないのかもしれませんが)障害を抱えていた、というのがポイントです。
あと、震災でトラウマ(と安直な表現をしてすみません)を負った少年の像も出てきます。
山本の第九の中での立ち位置がなんとなくわかるので、シリーズとしては〇なんだと思いますが、うーん、この作品単体としては、珍しく感心しませんでした。
真相というか、事件の構図がいまいち。
なによりやはり重要な人物がそういう風には「見えない」のは問題ではないだろうかと思います。作中の薪警視のセリフとは文脈が異なりますが、少なくとも読者にはそう「見える」ようになっていないと、つまらない。その人物を取り巻く登場人物たちが行動を起こしても無理ないな、そりゃそういう行動を取るよな、と読者には思えなければ。そしてそれだけの筆力を清水玲子はお持ちだと思います。その意味で、物足りない作品でした。


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