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十二月八日の幻影 [日本の作家 さ行]


十二月八日の幻影

十二月八日の幻影

  • 作者: 直原 冬明
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/02/18
  • メディア: 単行本


<帯>
この男たち、スパイ殺し
奇襲作戦の秘密が漏れている! 裏切り者は誰だ?
太平洋戦争前夜の帝都・東京を舞台に、帝国海軍軍令部特別班と米英露の謀報員たちの知略と謀略が火花を散らす!
プロット、筆力、そして主人公たちの魅力を選考委員[あさのあつこ・笠井潔・今野敏・藤田宜永]が絶賛。


単行本です。
第18回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
奥付を見ますと、2015年2月20日。

好きなんですよ、こういう作品。
真珠湾攻撃前夜という時代背景に、日本を舞台とした諜報戦...
頭脳戦といったタイプのスパイもので、コンゲームに近いです。
わくわくします。なので、こういう作品が好きな方はぜひ。

なによりも、主人公である潮田と、その上官となる渡海少佐がいいです。
海軍省の食堂のシーンから、すっかり引き込まれてしまいました。カレーライスをめぐるやりとり、無茶苦茶おもしろいじゃないですか。
この後も、小出し小出しに、おやっと思えるシーンの連続で最後まで楽しく読めました。

「武士道など、三百年の太平でしか存在できなかった戯れ言です」(44ページ)
「そもそも、戦国時代に暗躍した忍者、あれは間諜、諜報員、そのものではありませんか。その忍者を使っていたのは、みな、名だたる名将たちですよ。彼らは武士ですよね」(44ページ)
おっしゃる通りですね。日本伝統の武士道って、ひょっとして概念として間違っている!?

「握手をしながら足で蹴り合っている。それが国と国との駆け引きというものです」(291ページ)
この蹴り合いを、垣間見せてくれるスパイものを、日本の軍部を舞台に楽しませてくれました。
第2作「幻影たちの哀哭」が、ようやく先月出たようですが、同じように大戦前夜の日本を舞台にした諜報戦のようです。楽しみです。





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