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明日死んだ男 怪異名所巡り 10 [日本の作家 赤川次郎]


明日死んだ男 怪異名所巡り 10

明日死んだ男 怪異名所巡り 10

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/07/26
  • メディア: 新書


<帯紹介文>
高額報酬の仕事があると言われ、高級ホテルの最上階を訪れた女。依頼人のもとに向かうと、「私を殺してほしい」と頼まれて――表題作「明日死んだ男」ほか、全6話。困った人を放っておけない“幽霊と話せる”バスガイド・町田藍が不思議な事件をたちまち解決!人気シリーズ第10巻!


ここから6月に読んだ本となります。
怪異名所巡り第10巻です。
前回感想を書いたのは、「友の墓の上で 怪異名所巡り 8」 (集英社文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)で、第8巻。
「死神と道連れ 怪異名所巡り 9」は感想を書けずじまいです。

シリーズ第10巻の本書には
「過ぎ去りし泉」
「虹の落ちる日」
「賭けられた少女」
「遠い日の面影に」
「円筒の向う側」
「明日死んだ男」
の6編を収録。

いずれも、生きている人間、死んでしまった人間の思いが交錯して哀しみが浮き上がってくる構図になっていますが、帯に「本当にやっかいなのは、生きている人間かもしれません」と書いてある通りですね。
いい意味でのマンネリを楽しむことができます。

ところで、「賭けられた少女」で
「私、人の嘘には敏感なんです。」
と藍がいうところがあります(121ページ)。
霊感がある、だけではなくて、そんな才能もあったのですか、藍には。すごいなー。
いままであまり使っていない才能ですね。こちらも使った作品も期待できるかもしれませんね。

また、ネタバレになると困るのでどの話か特定しないで書きますが、女の子の幽霊について「産むのを諦めた子です。」という説明がされるところがあります。
産むのを諦めた、ということは胎児の状態で堕胎してしまった、ということかと思うのですが、幽霊になると女の子になっている?? 幽霊になってから成長するということでしょうか?


<蛇足1>
「アクセントを与えている白い彫刻--安物は使わない、と主張して、注文主と喧嘩になったが、最終的にはヨーロッパから本物の彫刻を輸入して揃えた。
 やはり良かった。青白い照明の下で、真っ白な安っぽい彫刻は、まるで張子のように見えただろう。本物の色づいた白さは、今の光の下でも少しも派手でない。」(6ページ)
なんとなく言わんとすることはわかる気もしますが、本物の彫刻って、なんでしょうね?

<蛇足2>
安全バーが上がったままの状態で、ジェットコースターに藍が乗っているシーンがあるのですが、そしてそれはとても怖いなと思うのですが、宙返りすることを特に恐れているんですよね、藍は。
でもジェットコースターの仕組みからして、宙返りの際には遠心力が働いて、止まりでもしない限り落ちることはなく、普通のカーブよりも宙返りの方が怖くないのでは、と思ってしまったのですが......

<蛇足3>
「お疲れさまでした」
<すずめバス>のバスガイド、町田藍は、バスの外に立って、降りてくる客一人一人に、
「ありがとうございました」
と、頭を下げていた。(214ページ)
というシーンがあります。
一瞬、「お疲れさまでした」と発言したのが町田藍かな、と思って、嫌な気分になったのですが、違いましたね。よかった、よかった。
異論はあるのだと思いますが、バスガイドが客にかける言葉が「お疲れさまでした」であってはいけません。「ありがとうございました」でなければね。

<蛇足4>
「バスガイドの仕事は、まだ終ってないのよ」
「営業所に戻って、報告して、バスを洗う。それでやっと終わりなの。」(215ページ)
バスを洗うって、大変ですね......




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