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リモート・コントロール [海外の作家 か行]


リモート・コントロール (論創海外ミステリ)

リモート・コントロール (論創海外ミステリ)

  • 出版社/メーカー: 論創社
  • 発売日: 2015/07/28
  • メディア: 単行本




2022年5月に読んだ4冊目の本です。
論争海外ミステリ151。

ハリー・カーマイケルは初見の作家ですが、帯には「D・M・ディヴァインを凌駕する英国の本格派作家」と書かれていまして、しっかり煽られました。

巻末の解説から引用します(孫引きになりますが)
「ジョン・パイパーの旧友であるクインは、しがない犯罪記者であるが、ある知人が飲酒中に起こした交通死亡事故に、何の落ち度もなく巻き込まれる。第二の死の訪れにより殺人の容疑者となった旧友を救うべく、パイパーは保険調査員として登場する。」

わりと平凡そうな交通事故から幕開き。
続いて起こるガス自殺のようにも思える死亡事故。
短い長編で、登場人物も少ないのですが、非常に読みやすく、展開もおもしろい。
なにより、最後にストンと落ちる切れ味が鋭い。
ハリー・カーマイケル、いい作家ではないでしょうか。もっともっと読みたいです。
多作家のようですし、どんどん訳してほしいです。



<蛇足1>
「その灯りはグレーのボクスホールのヘッドライトで、ライトは下を向き、一定のスピードで道路の真ん中を走っていた。」(14ページ)
Vauxhall ですね。日本語としてはボクスホール、あるいはボクソールと書くようです。
発音としては、ボクソールが近いですね。

<蛇足2>
「いつも注文する卵とチップスを前に」(35ページ)
フィッシュ・アンド・チップスという料理が有名ですので、これでも十分わかるのだとは思いますが、普通日本でチップスというとお菓子のポテトチップスを連想してしまうので、ここはフライドポテトとした方が分かりやすかった気がします。

<蛇足3>
「広々とした田舎に辿り着くと、芝刈り脱穀機(コンバイン)が作動し、天気が持ちこたえているあいだに最後の小麦を刈り取る作業をしているのが見えた。」(58ページ)
コンバインって、芝刈り脱穀機というんですね。知りませんでした。芝刈りに使っているところは観たことないですが。



原題:Remote Control
作者:Harry Carmaichael
刊行:1970年
訳者:藤盛千夏




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