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探偵はぼっちじゃない [日本の作家 た行]


探偵はぼっちじゃない (角川文庫)

探偵はぼっちじゃない (角川文庫)

  • 作者: 坪田 侑也
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2022/07/21
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
緑川光毅は中学3年生。受験のストレスから逃れようと家の周りをぶらついていると突然、同級生と名乗る不思議な少年に、一緒に推理小説を書こうと誘われる。一方、緑川が通う中学の新任教師・原口は、自殺サイトに自校の生徒と思わしき人物が出入りしていることを知る……。生徒と教師、それぞれの屈託多き日々が交わったときに明かされる真実とは。執筆当時15歳、新たなる才能が描く、瑞々しくも企みに満ちた青春ミステリ!


2022年11月に読んだ7冊目の本です。
第21回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。
「探偵はぼっちじゃない」 (角川文庫)というタイトルから、赤川次郎の「名探偵はひとりぼっち」 (徳間文庫)を連想しましたが、全く関係ありません(笑)。

帯に「執筆当時中学3年生!」と書いてあります。15歳でこの作品を書き上げたのか、と驚きます。
教師のパート、中学生のパート、そして中学生が各作中作のパートと3つのパートがあるのですが、それぞれ堂々と書かれています。
教師のパートも相応にしっかりそれらしく書かれていて(ちょっと子供っぽいなとは思いましたが)、全国の教師のみなさん、がんばってくださいね、見る力のある生徒はしっかりと先生たちのことを見ていますよ、と言いたくなりますね。

文章もなだらかで読みやすかったです。
「何か大切なことに気づけた気がして、足取りは軽かった。」(251ページ)
いいではないですか。「気づき」と出てきたらうんざりしていたところですが。

導入部分が少々ながすぎるように思えたことに加え、ミステリとしてみた場合の仕掛けが特段取り立てて言うほどのことはなく、あまりにも関係者が少なすぎて作者の手の内が見透かされやすいのですが、作中作のさりげない手がかりとか、自殺サイト参加者の正体とか、センスが感じられました。

坪田侑也、次の作品が出ていないようですが、これだけの作品を作り上げる才能があるので、ぜひ次作を。







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