こなもん屋うま子 [日本の作家 田中啓文]
<カバー裏あらすじ>
たこ焼き、お好み焼き、うどん…
絶品「こなもん」でお悩み解決!
その店は、大阪のどこかの町にある。仕事に、人生に、さまざまな悩みを抱える人びとが、いかにも「大阪のおばはん」の女店主・蘇我家馬子(そがのやうまこ)がつくるたこ焼き、お好み焼き、うどん、ピザ、焼きそば、豚まんなど、絶品「こなもん」料理を口にした途端……神出鬼没の店「馬子屋」を舞台に繰り広げられる、爆笑につぐ爆笑、そして感動と満腹(!?)のB級グルメミステリー!
読了本落穂ひろい。
2016年6月に読んだ田中啓文「こなもん屋うま子」 (実業之日本社文庫)。
「豚玉のジョー」
「たこ焼きのジュン」
「おうどんのリュウ」
「焼きそばのケン」
「マルゲリータのジンペイ」
「豚まんのコーザブロー」
「ラーメンの喝瑛」
以上7編収録の連作短編集。
ふと見つけた食べ物屋さん。
そこで悩みや謎を解決(あるいはその糸口をつかむ)。
でも再び訪れようと思っても見つからない。
こういう設定の物語、ちょくちょくありますが、楽しいですよね。
このこなもん屋は、話の順に、宗右衛門町、天神橋筋商店街、(ミナミの)谷町筋沿い、(ミナミの)三津寺筋、JR天王寺駅周辺、心斎橋筋の裏通り、鶴橋の駅周辺、にあるというのですから転々としています。
物語の中には書かれていませんが、田中啓文のことですから、どんな裏設定を仕込んでいるのかな、とあれこれ想像しながら読むのも楽しい。
引用したあらすじには、B級グルメミステリーとありますが、ミステリーというほどの謎があるかというとない気がしますね。
人情ものの方が近そうです──それぞれ結末へ向けての伏線や手がかりは仕込まれていることが多いですが。
ところで、このこなもん屋の馬子とイルカ、
「UMAハンター馬子―完全版〈1〉」 (ハヤカワ文庫JA)
「UMAハンター馬子―完全版〈2〉」 (ハヤカワ文庫JA)
の馬子たちですよね......裏設定なのかもしれませんが。
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