闇の聖杯、光の剣 北斗学園七不思議2 [日本の作家 篠田真由美]
<裏表紙あらすじ>
秋の文化祭をひかえ、新聞部のアキ、ハル、タモツは、新聞制作コンクールのための企画に頭を悩ませていた。目下調査中の七不思議のひとつ「記念博物館の謎」もなかなか進展がない。そんな中、三人に奇妙なおまじないの話をした女生徒が失踪した……。魔女、人狼、暗号、複雑怪奇な建物、そしてドイツ第三帝国の秘密まで絡み出し、彼らにさらなる危機が迫る! 謎が謎を呼ぶ、大好評学園ミステリー第二弾!
北斗学園七不思議シリーズの第2弾です。
第1弾「王国は星空の下 北斗学園七不思議1」 (PHP文芸文庫)の感想ページへのリンクはこちら。
冒頭、ドイツ第三帝国の敗戦を予知するSSの少佐が出てきます。そのヘルムート・リンゲ少佐から、日本へ持ち去られた聖杯を奪還せよ、もし別のものの手に落ちるようなら破壊せよ、という指示を受けるハンス二等兵。
こういう昔のエピソードが冒頭語られるのは、第1作「王国は星空の下」 と同じですね。この枠組み、なんだかかっこいい。
そしてその後語り手はオレであるアキに移ります。
やはりこの語り口には違和感が...中学生の文章としてどうもしっくりこないんですよねぇ。
さておき、トゥーレ機関だとかヴェアヴォルフ(人狼)だとか、今どきの日本とは思えないものが次々と出てきて、古き良き冒険小説を、学園ものの衣を着せて差し出してもらっているようです。楽しい。
次の「アルカディアの魔女」 (PHP文芸文庫)も買ってあります。楽しみです。
<蛇足>
アメリカに移ったドイツ人というと、第二次大戦中に亡命したと思われがちなところ、逆で、ドイツでは戦後、悪いのは全部ナチで、自分たちは被害者というみんなの風潮の中、親衛隊の上級将校やその家族が戦後アメリカに逃れた、という134ページの説明はなかなか印象的でした。
コメント 0