SSブログ

暗殺者の森 [日本の作家 逢坂剛]


暗殺者の森(上) (講談社文庫)暗殺者の森(下) (講談社文庫)

暗殺者の森(上) (講談社文庫)
暗殺者の森(下) (講談社文庫)

  • 作者: 逢坂 剛
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/09/13
  • メディア: 文庫


<カバー裏あらすじ>
命がけでピレネー山脈を越えマドリードへ脱出したのもつかのま、イギリス秘密情報部員・ヴァジニアは陸軍参謀本部情報将校・北都昭平への置き手紙を残してロンドンに戻る。一方敗戦目前のドイツでは、ナチス体制崩壊を目指しヒトラー暗殺計画が密かに進行していた。著者渾身のイベリア・シリーズ第6弾!<上巻>
総統本営がある特別封鎖区域で爆発あり。国内予備軍はヴァルキューレ作戦を発動して擾乱を制圧せよ。反ナチス派の呼びかけも空しく、ヒトラーは生き延びクーデタは挫折。混乱続くベルリンでジャーナリスト尾形正義は首謀者たちの壮絶な最期を目の当たりにする。そして北都とヴァジニアに新しい試練が! <下巻>


読了本落穂拾いです。
逢坂剛のイベリア・シリーズ。
「イベリアの雷鳴」 (講談社文庫)
「遠ざかる祖国」(上) (下) (講談社文庫)
「燃える蜃気楼」(上) (下) (講談社文庫)
「暗い国境線」 (上) (下) (講談社文庫)(感想ページはこちら
「鎖された海峡」 (講談社文庫)(感想ページはこちら
「暗殺者の森」(上) (下) (講談社文庫)
「さらばスペインの日日」(上) (下) (講談社文庫)(感想ページはこちら
と全7作。
「暗い国境線」 から感想をこのブログに書いていましたが、この「暗殺者の森」の感想は書いていなかったものです。

既に最終話も読んでしまっているので若干今更感ありますが、第二次世界大戦の戦況もいよいよ終盤というのがこの「暗殺者の森」(上) (下) の時代背景です。

「鎖された海峡」でなんとかドイツを脱出したヴァジニアと再会でき、マドリードで一緒になった北都だったのですが、ヴァジニアが置手紙を残して消えてしまう、という発端。

立場もあるし、ぞれぞれなんとか戦争を終わらせようとするためしなければならないことがある状況下、やむを得ないのかもしれませんが、つらい状況です。
この第6巻で扱われるのは、ドイツにおけるヒトラー暗殺計画とその後のヴァルキューレ作戦。

聯盟通信ベルリン支局長の尾形がかなりの活躍をします。
ナチもの関連でドイツの話はいくつか読んでいますが、それでも第二次世界大戦終盤のヨーロッパというのはなかなかなじみのない状況で、逢坂剛の筆で描かれる状況に、ハラハラドキドキ、結果を知っているにもかかわらず、気持ちよく翻弄されます。

シリーズを通してかなり親近感を抱くようになってきているので、カナリス提督の行く末はかなり気になりますよね。

本書でドイツが降伏し、いよいよ、シリーズ最終巻「さらばスペインの日日」(上) (下) です。


<蛇足1>
「さてと、最後にアーモンド・ゼリー(杏仁豆腐)で、締めましょうか。」(上巻166ページ)
ロンドンのチャイナタウンでのシーンです。
杏仁豆腐に、アーモンド・ゼリーという語が当てはめてあります。
ロンドンでは中華レストランにはかなり行きましたが、杏仁豆腐は Almond Beancurd となっていて、Almond Jelly というのは目にした記憶がありません。
話者がスペイン人なので、スペイン語を検索してみると、"jalea de la almendra"(アーモンド・ゼリー)と出てきますので、そこからの連想でしょうか?
と思いつつ、杏仁豆腐を検索したら、アーモンド・ゼリーとわんさか出てきますね。びっくり。
米語ではそういうのでしょうか?
ちなみに、ロンドンのチャイナタウンでのレストランでは、「あんにんとうふ」と日本語で言ってもたいてい通じますよ。なんなら店員の方からデザートとして「あんにんとうふ??」と薦められることまであります。




nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。