SSブログ

映画:名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 [映画]

名探偵ポアロ ベネチアの亡霊.jpg


映画「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」の感想です。

シネマトゥデイから引用します。

---- 見どころ ----
アガサ・クリスティーのミステリーを原作に、『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』に続きケネス・ブラナーが監督・主演を務めて映画化した作品。第2次世界大戦後のベネチアで、降霊会に参加した名探偵ポアロが超常現象の謎に挑む。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』などのオスカー女優ミシェル・ヨーのほか、ティナ・フェイ、ジェイミー・ドーナンらがキャストに名を連ねる。

---- あらすじ ----
第2次世界大戦の後、ハロウィーンを迎えたベネチア。一線を退き、ベネチアで過ごしていた私立探偵ポアロ(ケネス・ブラナー)は、謎の霊媒師(ミシェル・ヨー)が古ぼけた大邸宅で行う降霊会にしぶしぶながら参加する。そこで招待客の一人が殺害されたことをきっかけに、ポアロは邪悪な世界へと足を踏み入れることになる。


「オリエント急行殺人事件」(感想ページはこちら)、「ナイル殺人事件」(感想ページはこちら)に続く、ケネス・ブラナーによるアガサ・クリスティー作品の映画化第3弾。

今度の原作は「ハロウィーン・パーティ」〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫)
映画化するには地味だな、と思っていたら、舞台はベネチアに移しているし、降霊会まで出てくるというし、別物ですね(笑)。

舞台はベネチアのお屋敷。
冒頭こそ子供たち向けのハロウィーン・パーティが開催されるシーンがありますが、その後は降霊会があり、殺人事件発生。霊媒師が殺されます。
また霊媒師が呼びだした、屋敷の娘の死の様子も捜査の対象です。

この屋敷には亡霊がいるのでは、という終始ホラーっぽいテイストが色濃く出ています。
ポアロすら一時この非現実的なものを信じかけるというのですから、なんとも。
この映画、一夜の出来事になっていまして、その意味では矢継ぎ早に事件が起き、翻弄される名探偵という感じはよく出ていますが、ケネス・ブラナー版のポアロは、どうも原作のテイストとは違うポアロ像を作るのに熱心なようです。
原作に慣れ親しんだこちらとしては違和感をぬぐえませんね。
(あと、夜のシーンばかりなので、画面が常に暗いのには閉口しました。わかりにくいよ!──せっかく屋上に庭園が造られているのだから、昼間のシーンも入れてほしかったです。雨の夜では庭園がわかからない)

また、オリヴァー夫人の扱いにはびっくり。
引退したと言い張るポアロを引っ張り出す、というのはいいのですが、こんなことしていいのかなぁ。
ポアロとオリヴァー夫人の関係性を大きく揺るがしてしまいますけれど。

原作とは全く別物として、原作を読んだ方でも楽しめるようにはなっているのはいいかなと思うものの、同時に寂しく感じて観ていたのですが、ちらほら、原作を匂わせるところがあってニヤリ。
犯人の隠し方は原作対比へたくそなのはご愛敬として、物語の終盤も終盤、ラストシーン間際の子供の扱いには感心しました。なるほど、そう来たか。

クリスティーファンには受けない映画のような気がしてなりません。
クリスティーファンでない方はどう受け止められるでしょう?



製作年:2023年
製作国:アメリカ
原 題:A HAUNTING IN VENICE
監 督:ケネス・ブラナー
時 間:103分





nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 13

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。