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化学探偵Mr.キュリー7 [日本の作家 喜多喜久]


化学探偵Mr.キュリー7 (中公文庫)

化学探偵Mr.キュリー7 (中公文庫)

  • 作者: 喜多 喜久
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2018/02/23
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
猫柳課長が大学で遭遇した猫虐待事件。美間坂剣也がCM出演オファーを受けた「酔わない酒」の謎。沖野を理解すべく、氷上一司が挑む学生の記憶喪失事件。Mr.キュリーこと沖野春彦の名推理に《化学反応》した人々が織りなす、個性豊かな七色のミステリが登場です!


シリーズ第7弾で、
第〇話 夜の虹 --1999年のMr.キュリー
第一話 みゅーたんと赤色の疑惑
第二話 国島聖也と橙色の謀略
第三話 仁川慎司と黄色の邪霊
第四話 猫柳課長と緑色の連鎖
第五話 美間坂剣也と水色の消失
第六話 氷上一司と青色の忘却
第七話 水色の手紙 --2003年のMr.キュリー
を収録した短編集です。
前作「化学探偵Mr.キュリー6」 (中公文庫)(感想ページはこちら)は長編でしたが、第7冊目である本書は短編集に戻りました。

第〇話は家庭教師時代のMr.キュリーが登場し、教え子の悩みを解決(?) します。

第一話の「みゅーたんと赤色の疑惑」はあまりにも常套的な展開におやおやと思ってしまいますが、まあ、王道中の王道、みゅーたんのキャラクターに救われますね。
このあとも、これまでシリーズに登場してきた人物たちが登場し、王道的ストーリーを展開していきます。
化学探偵Mr.キュリーシリーズとしては、一種番外編的色彩なのかもしれません。

第七話は第〇話の後日談となっていて、ここでも教え子の悩みをMr.キュリーが手助けします。
なんとなく、番外編っぽくなった本書を、シリーズの中に位置づけるために、Mr. キュリーが活躍?する作品を最初と最後につけたみたいに思えてしまいますが...... まあ、それも、あり、でしょう。

第〇話が夜の虹で、その後虹の色を映した物語が続くのですが、赤橙黄緑水青紫、なんですね。
虹の色は「赤橙黄緑青藍紫(せきとうおうりょくせいらんし)」と覚えていたので、違いが面白いです。
日本では虹を七色と認識していますが、世界的にはそうとは限らないようですが。


<蛇足1>
「バッキンガム宮殿を模して造られた講堂の向こう側」(55ページ)
いえ、ひっかかるような箇所ではないのですが、バッキンガム宮殿って、模して造りたくなるかなぁ、と思ってしまったもので......

<蛇足2>
「手足の長い沖野には、細身の礼服がよく似合っている。」(84ページ)
結婚式というのも時とともにいろいろと移り変わっていくものですが、最近礼服を見かけなくなったなぁと思いました。

<蛇足3>
「人より少し前歯が大きく、ネズミっぽい印象のあるこの女性が、剣也のマネージャーをしている宇久井美森だ。」(200ページ)
森博嗣のWシリーズに、ウグイという日本人女性が登場するのですが、つい魚のウグイを連想してしまって、漢字がまったく浮かんでいませんでした。宇久井と書くのかな?



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