SSブログ

映画:ドント・ウォーリー・ダーリン [映画]

ドント・ウォーリー・ダーリン.jpg


映画「ドント・ウォーリー・ダーリン」の感想です。
「ワン・ダイレクション」のハリー・スタイルズが出演していることで話題ですね。
相手役となる主役はフローレンス・ピュー。こちらも人気のある方で話題ですね。

いつものようにシネマ・トゥデイから引用してみます。

見どころ:『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』で長編監督デビューを飾った女優オリヴィア・ワイルドがメガホンを取ったスリラー。完璧な生活が保証された街を舞台に、理想の生活を送る女性の周囲で続発する不可解な現象を描く。主人公を『ミッドサマー』などのフローレンス・ピュー、彼女の夫をボーイズグループ「ワン・ダイレクション」のメンバーであるハリー・スタイルズが演じ、『エターナルズ』などのジェンマ・チャン、『スター・トレック』シリーズなどのクリス・パインらのほか、ワイルド監督自身も出演する。

あらすじ:完璧な生活が保証された理想の街ビクトリーで、愛する夫ジャック(ハリー・スタイルズ)と暮らすアリス(フローレンス・ピュー)。この街には「夫は働き、妻は専業主婦でなければならない」「街から勝手に出てはいけない」といったルールが定められていた。あるとき、隣人が見知らぬ男たちに連れ去られるのを見かけて以降、彼女の周りで不可解な出来事が頻発するようになる。精神的に不安定になり周囲から心配されるアリスだったが、あるきっかけから街の存在に疑問を抱き始める。


映画を観る前に(別の映画の上映の際に)予告編を何度か見ていまして、ああ、これは「ステップフォードの妻たち」なのだな、と思っていました。
『ステップフォード・ワイフ』というタイトルで1975年2004年に映画化されているようです。
2004年版の方は、ニコール・キッドマン主演で映画館で観ました。

ネタバレになってしまってはいけないとは思うのですが、その禁をおかして結論をいうと、『ステップフォード・ワイフ』のアップデート版なのだな、という印象でした。

フローレンス・ピューとハリー・スタイルズの美しさ(ハリー・スタイルズって、「ワン・ディレクション」のときは目を惹くものの美しいとは思わなかったのですが、この映画で美しいと感じました)とか描かれる ”完璧な生活” のグロテスクと言いたくなるような美しさや、完璧なところから漂ってくる不穏な雰囲気、怪しげな「本社」など映画そのものは楽しく観ました。面白かったです。
しかし、と文句をつけてしまいますが、ストーリーや映画の建付けは悪かったな、と。『ステップフォード・ワイフ』の方がよくできていると思いました。

まずなにより、人為的に作られる ”完璧な生活” の目的がわからない。
クリス・パイン演じる社長フランクがいて、この人が言ってみれば敵役であることは明白なのですが、この社長の目的がわからない。
さらに、かなりお金のかかる "事業" だと思われる一方で、まったく収益源がない。
これだとそもそもの世界観が成り立たないです。

またジェンマ・チャン演じるその妻シェリーはもっと謎で、ラストでかなり唐突と思われる行動をとるのですが、作中の設定ではその行動をとると自分も死んでしまうのではなかったでしょうか?

何も知らずに巻き込まれているフローレンス・ピュー演じるアリスとハリー・スタイルズ演じるジャックの夫婦の物語はそれなりに作り込まれていて、また隣人であるオリヴィア・ワイルド演じるバニーの事情も「ああ、そういうこともあるだろうな」と響くものがあるというのに、大元の設定が理解を超えてしまっていて残念でした。

構成の難には目をつむり、演じる俳優陣のキラキラぶりと舞台の(落ち着かない)美しさを楽しむ映画、というところでしょうか。



製作年:2022年
原 題:DON'T WORRY DARLING
製作国:アメリカ
監 督:オリヴィア・ワイルド
時 間:123分




nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ: