SSブログ

トリックスターズ [日本の作家 か行]


トリックスターズ (メディアワークス文庫)

トリックスターズ (メディアワークス文庫)

  • 作者: 久住四季
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2016/01/23
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
巧妙な “嘘” にきっと騙される!
名門城翠大学で起きたゲームと称する大胆な殺人予告。それが世間を大いに賑わす頃。
新入生のぼくは客員教授の青年、佐杏冴奈(さきょうしいな)と出会う。彼は本物の魔術師だという変わり者。どういうわけか、ぼくは先生に気に入られてしまう。
こうしてにわか探偵と助手は殺人予告ゲームに立ち向かう。事件すらも楽しむ先生の享楽的頭脳は冴え渡り、ぼくは振り回され、事件は二転三転、疾風怒濤の展開へとなだれ込む。
あっと驚く結末は、もう一度読み直したくなること必至。極上エンターテインメント!


読了本落穂ひろい、です。
久住四季のデビュー作です。
「推理作家(僕)が探偵と暮らすわけ」 (メディアワークス文庫)(感想ページはこちら)の感想を先に書いてしまっていますが、この「トリックスターズ」 (メディアワークス文庫)の方を先に読んでいます。
手元の記録によると、2016年の4月に読んでいます。

引用したあらすじにもある通り、魔術師のいる世界となっています。
事件を振り返る冒頭に
「あの事件はただ、世界を転がし、運命すら弄ぶ、魔術師たち(トリックスターズ)の物語だったのだ、と――」(15ページ)
と書かれていて、タイトルの「トリックスターズ」とは魔術師たちのことを指しています。
舞台となるのは、魔術を研究する魔学部のある城翠大学。
キャンパスがあるのは「東京都を横断するJR中央総武線沿線のちょうど真ん中辺りに位置している」宮古。これ、架空の地名ですよね?
語り手はそこの新入生、天乃原周。

派手な舞台設定と登場人物が整っている一方で、普通の学生たちも多く登場して物語になじみやすくしてくれています。
このあたりのバランスがいいですね。

事件そのものは、真相含めて派手でいいのですが、振り返ってみると、動機と手段が釣り合わない気がしています。
それでも、魔術を前提とした謎解きは堂々としていますし、手がかりのバラまき方も好感度大。
そして最後の最後に繰り広げられる、周と佐杏冴奈のやりとりは、手垢にまみれたようなものではあっても、次々と繰り出される心地よさに浸れます。
これ、いいですよ!

登場する警部の名前が、須津黎人(すどれいと)と暮具総(くれぐそう)というのがお茶目でした。

実はこのあと、シリーズ続刊を読むのがすっかりご無沙汰になっているのですが、とりかかろうと思います。






nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ: