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ホリデー・イン [日本の作家 坂木司]


ホリデー・イン (文春文庫)

ホリデー・イン (文春文庫)

  • 作者: 司, 坂木
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/04/07
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
元ヤンキーの大和と小学生の息子・進の期間限定親子生活を描いた「ホリデー」シリーズ。彼らを取り巻く愉快な仕事仲間たち、それぞれの“事情”を紡ぐサイドストーリー。おかまのジャスミンが拾った謎の中年男の正体は? 完璧すぎるホスト・雪夜がムカつく相手って?? ハートウォーミングな6つの物語。


読了本落穂ひろいです。
2017年6月に読んだ坂木司「ホリデー・イン」 (文春文庫)

「ワーキング・ホリデー」 (文春文庫)(感想のページはこちら。)
「ウィンター・ホリデー」 (文春文庫)(感想のページはこちら。)
に続くシリーズ第3弾、というよりは、帯に書いてあるようにサイドストーリー集と呼びたくなるような短編集です。
あー、ミステリではありません。

01 ジャスミンの部屋 …… ジャスミンが拾った謎の中年男の正体は?
02 大東の彼女 …… お気楽フリーターの大東の家族には実は重い過去があった
03 雪夜の朝 …… 完璧すぎるホストの雪夜にだってムカつく相手はいるんだ!
04 ナナの好きなくちびる …… お嬢さまナナがクラブ・ジャスミンにはまった理由
05 前へ、進 …… まだ見ぬ父を探し当てた小学生の進むの目の前には──
06 ジャスミンの残像 …… ヤンキーだった大和とジャスミンの出逢いの瞬間

6編収録の短編集ですが、ジャスミンで始まり、ジャスミンで終わる、という構図が、このシリーズを象徴しているような配置になっています。
シリーズの愛読者にとっては、それぞれの登場人物それぞれの秘められた(?) エピソードを存分に楽しむことができます。
「文庫版のためのあとがき」の冒頭、作者が「なんだかもう、この人たちはわりと近所に住んでいるような気がしてきています。」と書いているのにうなづいてしまいそう。

そしてまた藤田香織の解説がよくできています──要領よく各登場人物が解説されていますし、
おそらくは、太和や進、ジャスミン、雪夜たちシリーズ・レギュラー陣と、作者坂木司、解説藤田香織、みんなファミリーなんでしょうね、という雰囲気です。

こういう(スピンオフ)作品が成立するのも、人気シリーズだからこそ、でしょうね。
ちなみに、購入した文庫本には「15th Anniversary 坂木司 特別便」という冊子が折り込まれていて、各社の担当編集者から坂木司宛に15周年のお祝いメッセージが寄せられています。
これも人気作家であることの証左ですよね。

このあとシリーズは出ていませんが、そろそろまた大和たちに会いたいかも。




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