ウィンター・ホリデー [日本の作家 坂木司]
<裏表紙あらすじ>
元ヤンキーでホストだった沖田大和の生活は、小学生の息子・進が突然に夏休みに現れたことから一変。宅配便のドライバーへと転身し子供のために奮闘する。そして冬休み、再び期間限定の親子生活がはじまるが、クリスマス、お正月、バレンタインとイベント盛り沢山のこの季節は、トラブルも続出で……。
「ワーキング・ホリデー」 (文春文庫)に続くシリーズ第2弾です。前作の感想のページへのリンクはこちら。そこで、「続編『ウィンター・ホリデー』というのがいずれ出るらしいので、楽しみにして待ちます。」と書いていた、その続編です。
でも、感想を書いた時期と、この「ウィンター・ホリデー」の単行本が出た時期の辻褄があわないなー。すでに次作「ウィンター・ホリデー」の単行本が刊行されていたのに、例によって、ぼくがボケていた、ということですね。
為念ですが、ミステリではありません。
「ウィンター・ホリデー」とタイトルにもありますが、冬休みを背景にしています(でないと、進が大和のところにやって来にくい)。帯にもある通り、クリスマス、大晦日、お正月と、冬休みは行事が目白押し。おまけに(?) バレンタインももうすぐ。
いや、もう、てんやわんやですねぇ(←表現が古い)。
個人的なお気に入りは、おせちを扱う2つ目の「歳末特別配送」。甘いといえば甘い着地なんですが、こういう大騒ぎ、なんだか、いいですね。
慌ただしく修羅場の最中の男たちのコメントがナイス!
「なんで女って、こういうとき妙に元気なんですかね」
「そう言われれば、うちの家内もそうだなあ」
「ヒマだと死ぬんじゃないっすか」(140ページ)
若干、問題ある発言集のような気もしないではないですが、急場で頼れる女、ってことでご容赦を。
全般的には、前作の感想に書いたように、個性的な面々の登場するホームドラマみたいな話で、ちょっと安易にウェットすぎる気がしないでもないですが、懐かしい面々との再会に浸れました。
シリーズのサイド・ストーリー集「ホリデー・イン」(文藝春秋)も出ているみたいなので、文庫化が楽しみです。
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