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禍記(マガツフミ) [日本の作家 田中啓文]


禍記 (角川ホラー文庫)

禍記 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 田中 啓文
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/09/25
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
オカルト雑誌の新米編集者、恭子はホラー小説の大家、待田から「禍記(マガツフミ)」という謎の古史古伝の存在を聞かされる。そこには、歴史の闇に葬られた人類誕生以前の世界のことが書かれているという。恭子はその書物に魅かれていき……。
赤ん坊をすりかえる取りかえ鬼、孤島で崇められるひゃくめさま、そして、子供にしか見えないモミとは? 神話、古代史、民間伝承を題材に、恐怖の真髄を描破した伝奇ホラー傑作集。

ホラー三連発となってしまいました。
「禍記(マガツフミ)」という禍々しい古文書を道しるべ(?)に、「取りかえっ子」「天使蝶」「怖い目」「妄執の獣」「黄泉津鳥舟」という5つのホラー短編が収録されています。
伝承をベースに割と現実的な話である「取りかえっ子」でスタートし、閉鎖的な村の言い伝えを題材にした「天使蝶」と、このあたりはよかったのですが、次の「怖い目」は嫌でしたね。ホラーのなかでも、怖いというよりは気持ち悪いという方向性の作品でした。いや、怖いことは怖いのですが、虫とかやっぱり気持ち悪い。「蝿の王」 (角川ホラー文庫)もそうでしたが、生理的嫌悪感を催すような、グロさというか気持ち悪さを描かせると、本当に迫ってきますね、田中啓文は。嫌だ、厭だ。
「妄執の獣」は、打って変わって、現実的な舞台に忍び寄る(?)子供だけの世界。そして恒星間移動を行う宇宙船の話」「黄泉津鳥舟」と、いろいろなパターンのホラーが集まっていていいな、と思いました。
それらを、「禍記」という古文書を追い求める女性編集者がとり憑かれていく話が挿んでいます。
駄洒落成分控えめで、不満を覚えた田中啓文ファンは、「伝奇原理主義宣言--あとがきに代えて」と題されたあとがきをお読みください。本書の狙い(?)もわかりますし、駄洒落もちょっぴり披露されます。
タグ:田中啓文
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