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宇宙のウインブルドン [日本の作家 か行]

宇宙のウィンブルドン (集英社文庫)

宇宙のウィンブルドン (集英社文庫)

  • 作者: 川上 健一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1988/07/20
  • メディア: 文庫


<カバー裏あらすじ>
杉本宇宙、17歳。身長188センチ、体重78キロ。彼には大きな野望がある。サーブ1本だけでウインブルドンで優勝すること。そのために毎日毎日サーブの練習だけをしている。確かにサーブはものすごい。ジャパンオープンでも対戦相手がひっくり返るほどの圧倒的なサーブで勝ち上がり、とうとうウインブルドンに出場する。世界の強豪たちを相手に果たしてサーブのみで制覇できるのか!? 抱腹絶倒の超青春小説。


この本いつもの読書傾向とはまったく違います。でも永年気にはなっていたんですよ。
ウインブルドンのあるイギリスに来たので、読んでみようかと。
昭和61年(1986年) 6月刊行で、1988年7月に集英社文庫入りしています。

あらすじに書いてある通りで、サーブだけでウインブルドンで優勝しようとする、という話です。
まあ、言ってみれば、現代を舞台にしたホラ話ですね。
そして、それ以上でもそれ以下でもない。
人を食ったようなラストも、馬鹿馬鹿しい限りですが、この作品の場合ならありかな、と。ホラ話にはふさわしい気がしました。

ということで、おもしろく読みました。
おもしろく読みはしましたが、それでも、同じような展開が続くので、途中ダレます。
途中、サーブしかしないので、無気力試合として失格になりそうになるのですが、山場っぽいのはこれだけです。
あ、あと、マエヌラ・マバエリという女子選手との交流も描かれますが......
サーブだけで勝ち進んでいく、というだけでは、飽きちゃいますよね。
ということもあってか、対戦相手の名前がマッツ・ニランデル、ジミー・コナクソーズ、イワン・イチドル、そしてジョン・マッケンゾー......
真面目に読んではいけない本です。

果たしてこれ、小説にする必要があったのか、と思うとNoな気がしますが、一方で、これをコミックとか映画などのほかの表現にできたかというと、それもNoな気がします。
ある意味、小説ならでは、とも言えるのでしょうか(苦笑)?

ひょっとしたらこの本、さっと読んで、ああ面白かった、あるいは、ああ馬鹿馬鹿しかった(貶し言葉ではありません)、といって終わらせるのが正解なのかもしれませんね。
たまに読むにはいいかな。


タグ:川上健一
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