2gether [タイ・ドラマ] 追加の感想 [2gether [タイ・ドラマ]]
先々週の金曜日に完結したタイ・ドラマ 2getherですが、最終話EP13の感想で、
「このドラマ、もうちょっと書いておきたいことがあるので、また後日書こうと思います。」
と書きましたが、日本語字幕が出てからにしようと思っていたところ、なかなか日本語字幕が出ないので、書いてしまっておくことにします。
その感想に「Tine の笑顔度数がやや低いかな、と思ってしま」ったと書きました。
このドラマ、Sarawat と Tine、二人の役者さんのルックスがいいことが大きなポイントだと思うのですが、特に、Tine 役である Win の笑顔がいいな、と思っていました。
なので、ハッピーエンディングである最終エピソードは笑顔爆発になるかな、と期待していたのですが、意外に控えめでしたね。
ということで、Tine の個人的に印象的な笑顔のシーンを集めてみました。これ以外にも、いい笑顔があふれているシリーズですよ。
EPのところをクリックすると、Youtubeに飛びます。
EP2で、Sarawatが協力してやると言ってくれたとき
EP3で、SarawatがScrubbの曲を演奏してくれたとき
EP3で、かわいい女の子Pearが入部してきたとき
EP3で、SarawatがTineの願いをきいてくれることになったとき
EP4で、Sarawatのバンドの演奏をきいているとき
EP5で、Sarawatが演奏のペアになることを承諾してくれたとき
EP6、でScrubbのコンサートを聞いているとき
EP7、でSarawatにいたずらしたとき
EP7で、Scrubbのコンサートのあとの写真を撮るとき
EP9で、Sarawatと一緒のソファーで寝ることになったとき
EP10で、Sarawatの彼氏になることをOKしたとき
EP10で、Sarawatと一緒に住むことをOKしたとき
笑顔にもすごいバリエーションがあるんですよね。
Win は新人といってよい経歴の浅い役者さんなんですが、素晴らしいな、と思っていました。
演技指導が行き届いているんでしょうか?
あとこのドラマの中では、Tine の仲間たちの衣装がおしゃれに見えました。
自分が若ければ、似たようなデザインの服をあちこち探しにいったかもしれません。
こういうところも、このドラマを気に入った理由の一つです。
タイのドラマを観るのははじめてでしたが、いろいろと興味深かったです。
効果音というよりは、擬音というべき音が使われているのもおもしろいです。
たとえば、EP10で、Sarawat が突然文脈を外れた笑撃的な発言をするとき、とか、Time が立ち止まったり、振り返ったりするとき。
なんだか、マンガみたいです。
これは、タイ・ドラマに共通する特徴なのか、あるいは、このテレビ局あるいは監督の特徴なのかわかりませんが、楽しめました。
あと、ネット などでステマが時折話題になったりしますが、タイ・ドラマの場合は、ちっともステルスではなくて、あからさまなマーケティング、コマーシャルになっていて笑ってしまいました。
堂々と、販売促進したいものが、たびたび登場します。Oishi(オイシイと発音されています。メーカー名なのかブランド名なのかわかりません)の清涼飲料とか、ちょっと試してみたくなるくらいです。
おもしろいのは、予告編が2バージョンあることでしょうか。
あのシーン、このシーン、印象的に使われています。
もう1バージョンがこちら。
こちらを見るとびっくりするのですが、全然違う感じに仕上がっています。
どうやら、こちらのバージョンは、ずいぶん前、おそらく制作が発表されてそんなに経たない頃に作られたもので、このバージョンを観た感想を参考にして、シリーズ全体を今のものに作り直した、ということのようです。
すごい手がかかっていますよね。
このバージョンに沿った完成シリーズも観てみたい気もしますが、いまあるシリーズの印象がとても強いので、違和感が消せずに困惑するだけになるかもしれませんね。
このシリーズを見はじめてから、タイ・ドラマについて書かれたいろんなブログを拝見しました。
akiko_saito さんの 公式の供給が石油王 タイBLドラマ「2gether」を見てくれ
藍川理桜 AIKAWA Rio さんの タイのBLドラマ『2gether the series』が最高なので、全世界の民よ見てください
摩利と新吾とジルベールとオーギュと冬夢 さんの 『2gether The Series』1話 見ました
hobbit さんの 2gether The Series 視聴感想 最高か! 爽やかときめくボーイズラブコメ
るかっち さんの 2gether
横川良明さんの SNSで話題の史上最強沼・タイBLドラマ『2gether』の素晴らしさを語らせてくれ
いっぱいありますね。
みなさん、タイのドラマ、特にBLものに対する愛にあふれていらっしゃって、すごいなー、と思いました。
(例によって勝手リンクですので、不都合等あれば削除いたします)
また、いろいろと勉強にもなりました。BLって、奥が深いのですね。
観終わった2gether だけではなく、いろいろとチェックしてみようと思っています。
また感想を書くかもしれません。
<追記>
ほかの感想ページへのリンクを張っておきます。
2gether [タイ・ドラマ]
2gether [タイ・ドラマ] EP10
2gether [タイ・ドラマ] EP11
2gether [タイ・ドラマ] EP12
2gether [タイ・ドラマ] EP13
「このドラマ、もうちょっと書いておきたいことがあるので、また後日書こうと思います。」
と書きましたが、日本語字幕が出てからにしようと思っていたところ、なかなか日本語字幕が出ないので、書いてしまっておくことにします。
その感想に「Tine の笑顔度数がやや低いかな、と思ってしま」ったと書きました。
このドラマ、Sarawat と Tine、二人の役者さんのルックスがいいことが大きなポイントだと思うのですが、特に、Tine 役である Win の笑顔がいいな、と思っていました。
なので、ハッピーエンディングである最終エピソードは笑顔爆発になるかな、と期待していたのですが、意外に控えめでしたね。
ということで、Tine の個人的に印象的な笑顔のシーンを集めてみました。これ以外にも、いい笑顔があふれているシリーズですよ。
EPのところをクリックすると、Youtubeに飛びます。
EP2で、Sarawatが協力してやると言ってくれたとき
EP3で、SarawatがScrubbの曲を演奏してくれたとき
EP3で、かわいい女の子Pearが入部してきたとき
EP3で、SarawatがTineの願いをきいてくれることになったとき
EP4で、Sarawatのバンドの演奏をきいているとき
EP5で、Sarawatが演奏のペアになることを承諾してくれたとき
EP6、でScrubbのコンサートを聞いているとき
EP7、でSarawatにいたずらしたとき
EP7で、Scrubbのコンサートのあとの写真を撮るとき
EP9で、Sarawatと一緒のソファーで寝ることになったとき
EP10で、Sarawatの彼氏になることをOKしたとき
EP10で、Sarawatと一緒に住むことをOKしたとき
笑顔にもすごいバリエーションがあるんですよね。
Win は新人といってよい経歴の浅い役者さんなんですが、素晴らしいな、と思っていました。
演技指導が行き届いているんでしょうか?
あとこのドラマの中では、Tine の仲間たちの衣装がおしゃれに見えました。
自分が若ければ、似たようなデザインの服をあちこち探しにいったかもしれません。
こういうところも、このドラマを気に入った理由の一つです。
タイのドラマを観るのははじめてでしたが、いろいろと興味深かったです。
効果音というよりは、擬音というべき音が使われているのもおもしろいです。
たとえば、EP10で、Sarawat が突然文脈を外れた笑撃的な発言をするとき、とか、Time が立ち止まったり、振り返ったりするとき。
なんだか、マンガみたいです。
これは、タイ・ドラマに共通する特徴なのか、あるいは、このテレビ局あるいは監督の特徴なのかわかりませんが、楽しめました。
あと、ネット などでステマが時折話題になったりしますが、タイ・ドラマの場合は、ちっともステルスではなくて、あからさまなマーケティング、コマーシャルになっていて笑ってしまいました。
堂々と、販売促進したいものが、たびたび登場します。Oishi(オイシイと発音されています。メーカー名なのかブランド名なのかわかりません)の清涼飲料とか、ちょっと試してみたくなるくらいです。
おもしろいのは、予告編が2バージョンあることでしょうか。
あのシーン、このシーン、印象的に使われています。
もう1バージョンがこちら。
こちらを見るとびっくりするのですが、全然違う感じに仕上がっています。
どうやら、こちらのバージョンは、ずいぶん前、おそらく制作が発表されてそんなに経たない頃に作られたもので、このバージョンを観た感想を参考にして、シリーズ全体を今のものに作り直した、ということのようです。
すごい手がかかっていますよね。
このバージョンに沿った完成シリーズも観てみたい気もしますが、いまあるシリーズの印象がとても強いので、違和感が消せずに困惑するだけになるかもしれませんね。
このシリーズを見はじめてから、タイ・ドラマについて書かれたいろんなブログを拝見しました。
akiko_saito さんの 公式の供給が石油王 タイBLドラマ「2gether」を見てくれ
藍川理桜 AIKAWA Rio さんの タイのBLドラマ『2gether the series』が最高なので、全世界の民よ見てください
摩利と新吾とジルベールとオーギュと冬夢 さんの 『2gether The Series』1話 見ました
hobbit さんの 2gether The Series 視聴感想 最高か! 爽やかときめくボーイズラブコメ
るかっち さんの 2gether
横川良明さんの SNSで話題の史上最強沼・タイBLドラマ『2gether』の素晴らしさを語らせてくれ
いっぱいありますね。
みなさん、タイのドラマ、特にBLものに対する愛にあふれていらっしゃって、すごいなー、と思いました。
(例によって勝手リンクですので、不都合等あれば削除いたします)
また、いろいろと勉強にもなりました。BLって、奥が深いのですね。
観終わった2gether だけではなく、いろいろとチェックしてみようと思っています。
また感想を書くかもしれません。
<追記>
ほかの感想ページへのリンクを張っておきます。
2gether [タイ・ドラマ]
2gether [タイ・ドラマ] EP10
2gether [タイ・ドラマ] EP11
2gether [タイ・ドラマ] EP12
2gether [タイ・ドラマ] EP13
英国諜報員 アシェンデン [海外の作家 ま行]
<カバー裏あらすじ>
時はロシア革命と第一次大戦の最中。英国のスパイであるアシェンデンは上司Rからの密命を帯び、中立国スイスを拠点としてヨーロッパ各国を渡り歩いている。一癖も二癖もあるメキシコやギリシア、インドなどの諜報員や工作員と接触しつつアシェンデンが目撃した、愛と裏切りと革命の日々。そしてその果てにある人間の真実――。諜報員として活躍したモームによるスパイ小説の先駆にして金字塔。
クラシックつながり、というわけではありませんが、「四つの署名」 (光文社文庫) に続いて読んだのが、このサマセット・モーム「英国諜報員 アシェンデン」 (新潮文庫)。
この作品、大昔に子供のころ、子供向けに訳されたものを読んだのが最初かと思います。
その後、大人になってから(ミステリの)教養のうちとして、大人向けの翻訳「秘密諜報部員」 (創元推理文庫)を読んでいるはずですが、実は両方とも印象が薄いです。
正直、楽しんで読んだ記憶がない。
いわずとしれたスパイ小説の古典。しかも、サマセット・モームという高名な文学者の手によるもの。おもしろくないのであれば、こんなに広く受け入れられているはずはない、ということで、金原瑞人の新訳を機会に再読にチャレンジすることに。
サマセット・モームは実際にスパイだったということで、実体験も反映されているもの、と思われますが、いや、地味なのです。
スパイ小説というと、それだけで派手派手しいものを想像してしまいますが、まったくそんなことはありません。
地味なんですが、つまらなかったかというと、逆でとてもおもしろかったです。
目次を見ると第一章、第二章となっているので長編のスタイルをとっていますが、実態は連作短編のようで、いくつかのエピソードが語られます。
で、それぞれの登場人物がとてもおもしろいのです。
あ、おもしろい、というのは語弊があるかもしれません。生き生きしている、魅力的だ、というべきでした。
金原瑞人による訳者あとがきでも、阿刀田高による解説でもこのことはしっかり書いてあります。
物語の筋を追って楽しむ、というよりは、人物だったり、描写だったり、会話だったり、そういうのを楽しむ作品なんです。
それが、こう、じわじわと効いてくる。
さすがは文学者の作品、ということなのかもしれませんが、大人の読み物、という気がします。
そりゃ、これ、こども心に楽しめなかったはずです。
(楽しめるお子様もいらっしゃるのでしょうが、ぼくはそうでなかった)
その意味では、ミステリやスパイ小説、ととらえるのは危険かもしれません。
(もちろん、それだけミステリやスパイ小説の幅は広いのだ、ととらえることも可能です)
あの人にも、この人にも、また会ってみたいな、と思える登場人物が満載のステキな小説でした。
<蛇足1>
「マカロニといってもいろいろありますからね」(中略)「そのマカロニというのは、スパゲティ、タリアテッレ、リガトーニ、バーミセリ、フェットチーネ、トゥッフォリ、ファルファッレ、普通のマカロニ、どれのことです」(82ページ)
ここでの「マカロニ」という語はパスタ全体を指す語として使われているようですね。そういう使い方もあるんだな、と思いました。
<蛇足2>
「石畳の道を音を立てて歩行者通路(ガレリア)までもどった。」(131ページ)
ナポリのシーンです。
ガレリアに歩行者通路という語が当ててありますが、普通の感覚だとアーケードですね。
ナポリのウンベルト1世のガレリアは、観光名所でもありますが、これのことかな?
<蛇足3>
ブラックタイというからには、内輪の会食だろう。(中略)華やかな晩餐会ではないはずだ。(302ページ)
ドレスコードがブラックタイ(タキシード)で、内輪の会、とはすごいですね。
貴族階級(この場合はウィザースプーン卿となっていまして、英語でいうとどのくらいの爵位かちょっとわからないのですが)ともなると、ちょっと食事をご一緒というだけで大変だったのですね......
<蛇足4>
「わたしはいつも食事のまえにはシェリーを飲むことにしているのだが、きみがカクテルなどという野蛮な飲み物に淫していることも考えて、ドライ・マティーニとかいう代物も作れるようにしておいた」(304ページ)
カクテルは野蛮ですか......当時の貴族の嗜好がわかりますね。
<蛇足5>
「きみの好きなところならどこでもいいよ。ただしバス付きにしてほしい」
(略)
「英国人ね。一週間くらい、お風呂なしでもいいじゃない。」(398ページ)
イギリス人がお風呂好き、という印象は全くないのですが、ヨーロッパではそう目されている(あるいは、目されていた)のでしょうか? ちなみにこれはパリでのホテル選びに際しての会話です。
原題:Ashenden or the British Agent
作者:William Somerset Maugham
刊行:1928年(原書刊行年はどこにも見当たらなかったので、Wikipediaから)
訳者:金原瑞人
タグ:サマセット・モーム
四つの署名 [海外の作家 た行]
<カバー裏あらすじ>
月刊誌連載の前に書かれた長編第二作。事件のない退屈をコカイン注射で紛らすホームズという、ショッキングな幕開けから、ホームズの語る“推理の科学”そしてメアリ・モースタン嬢の持ち込む不思議な事件へと、物語は興味深い展開をみせる。ベイカー街不正規隊の活躍、依頼人に惚れてしまうワトスン、アグラの財宝にまつわる話など、面白み満載。
ホームズ物を大人物で読み直している第2弾。
今回は、「四つの署名」 (光文社文庫)です。
「いままで何度も言ってきたじゃないか。ありえないものをひとつひとつ消していけば、残ったものが、どんなにありそうなことでなくても、真実であるはずだって。」(75ページ)
という有名なセリフが出てきて満足(笑)。
この有名なセリフ、ここが初出なのでしょうか?
「緋色の研究」 (光文社文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)には出てこなかったような。
あと、ベーカー街不正規隊(イレギュラーズ)もこの作品でイレギュラーズと呼ばれるようになっていますね。
「緋色の研究」の感想にも書きましたが、ホームズの推理は結構強引ですね。
ワトソンが
「ホームズの推理に、どこか重大な欠陥があったのではないだろうか。何かとんでもない思い違いをしているということはないだろうか。どんなに頭の回転が速くて理性的な人間でも、まちがった前提に立って的はずれな推理をでっちあげてしまうことがあるのではなかろうか。これまで、ホームズがまちがっていたためしはないのだが、どんなに頭の切れる理論家でもときには思いちがいをすることだってあるのではないか。わざわざ好んで、手近の単純な説明よりも複雑で奇妙な説明のほうを選んで、必要以上に論理の筋を通そうとするあまり、あえって誤ってしまうこともあるのではなかろうか。」(133ぺページ)
と、かなり長く心配するシーンがあるのですが、ホームズの実績を知らなければ同じように感じるところですね。
推理の強引さとストーリー展開のこのあたりの微妙なバランスが、このシリーズの素晴らしいところなのでは、とも思いました。
また、「緋色の研究」に続いて、この「四つの署名」 (光文社文庫)もミステリ、謎解きとしてというよりも、物語性が強いことに驚きました。
ワトソンも奥さんを首尾よく手に入れますし、シリーズとしていろいろと意義深い作品だったのだのだなぁ、と思いました。
原書刊行順に読もうと思っているので、次は「シャーロック・ホームズの冒険」 (光文社文庫)です。
楽しみ。
原題:The sign of Four
作者:Arthur Conan Doyle
刊行:1890年(原書刊行年は解説から)
訳者:日暮雅通
ドラマ:なぞの盗難事件 [ドラマ 名探偵ポワロ]
名探偵ポワロ「なぞの盗難事件」(原題:The Incredible Theft)を観ました。
原作が収録されているのは、こちら↓。
「謎の盗難事件」 というタイトルのようです。
なんとも地味なタイトルだなぁ、と思いますが、ドラマを観たら、事件も地味......
大戦前の不穏な雰囲気が漂う中、機密書類が盗まれる、というものなのですが、舞台がお屋敷で、登場人物もさほどおらず、地味です。
日本の天皇に言及されるシーンがあるのは日本人には印象に残りますが、物語にあんまり関係ないので背景でしかなく、どうってことないですね。
限られた時間で、どうやって盗み、どこに隠しておいたか、というのがポイントになるのだと思いますが、考えられる可能性がほとんどないので、視聴者が簡単に推察できてしまうのではないかと。
これでは謎でもなんでもないかも(笑)。
また、最後にカーチェイスのシーンがありますが、これ、必要ですかね?
まあ、ヘイスティングスの嬉しそうな顔を見れたので、よし、としましょうか......
短編までもれなく映像化してしまうと、こういう作品も出てくるんでしょうか?
いつも通りリンクをはっておきます。
「名探偵ポワロ」データベース
本作品のページへのリンクはこちら。
実際に見たDVDが入っているのはこちら↓です。
原作が収録されているのは、こちら↓。
「謎の盗難事件」 というタイトルのようです。
なんとも地味なタイトルだなぁ、と思いますが、ドラマを観たら、事件も地味......
大戦前の不穏な雰囲気が漂う中、機密書類が盗まれる、というものなのですが、舞台がお屋敷で、登場人物もさほどおらず、地味です。
日本の天皇に言及されるシーンがあるのは日本人には印象に残りますが、物語にあんまり関係ないので背景でしかなく、どうってことないですね。
限られた時間で、どうやって盗み、どこに隠しておいたか、というのがポイントになるのだと思いますが、考えられる可能性がほとんどないので、視聴者が簡単に推察できてしまうのではないかと。
これでは謎でもなんでもないかも(笑)。
また、最後にカーチェイスのシーンがありますが、これ、必要ですかね?
まあ、ヘイスティングスの嬉しそうな顔を見れたので、よし、としましょうか......
短編までもれなく映像化してしまうと、こういう作品も出てくるんでしょうか?
いつも通りリンクをはっておきます。
「名探偵ポワロ」データベース
本作品のページへのリンクはこちら。
実際に見たDVDが入っているのはこちら↓です。
Poirot The Definitive Collection Series1-13 [DVD] [Import]
- 出版社/メーカー: ITV Studios
- 発売日: 2013/11/18
- メディア: DVD
タグ:DVD・名探偵ポワロ
吸血鬼に鐘は鳴る [日本の作家 赤川次郎]
<カバー裏あらすじ>
「正統」な吸血鬼の父・クロロックのお供でドイツにやってきたエリカ。年下の義母涼子に、クロロックのお目付役をするよう言い含められたのだ。二人は、取引先の工房で、美しい日本人の修道女アンヌ・マリーと出逢う――。日本語がほとんど通じないドイツの田舎町に、なぜ彼女は暮らすのか? 表題作のほか2編を収録。大人気「吸血鬼はお年ごろ」シリーズの最新作!
「吸血鬼はお年ごろ」シリーズ 第37弾。オレンジ文庫第5弾です。あいかわらずうすーい本です。
と、このシリーズへの感想について恒例の出だしとなりました。毎年同じことを書けますね(笑)。
「吸血鬼に鐘は鳴る」
「吸血鬼とバラ色のドレス」
「吸血鬼は鏡の中に」
の3編収録です。
前々作「吸血鬼の誕生祝」 (集英社オレンジ文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)、前作「吸血鬼と伝説の名舞台」 (集英社オレンジ文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)と違い、今回は超常現象とかこの世ならぬものが、表題作を除いて、ちゃんと(?) 出てきます。
こういうトレンドは続けてもらいたいです。
この怪異現象をきっかけに、人間の弱さとか、それに対する強さが描かれる、正統派赤川次郎サスペンスと言えるのでないでしょうか。
ところで、「吸血鬼は鏡の中に」に、車について
「それが架空のナンバーでね。登録もしていない。たぶん、盗んだ車に偽のナンバープレートを取り付けたんだろう」(162ページ)
と警官が言うシーンがありますが、ナンバープレートの番号(車両番号)だけではなく、車には車台番号があって、それも登録されているはずですから、警察からこんな発言が出ることはあり得ないです。車をどうやってごまかすか、というのもミステリでは題材の一つなので、ちょっと軽く考えすぎなのは困りものなんですが......
真鍮のむし [日本の作家 田中啓文]
<カバー裏あらすじ>
天才的なテナーサックスの腕前とは裏腹に、世事にはうとい永見緋太郎。だが、ひとたび不思議な出来事に遭遇するや、音楽を奏でるように見事に謎を解き明かす。アメリカで管楽器の盗難事件に巻き込まれた永見が見いだした人情味溢れる真相他、日本のみならずニューヨーク、シカゴ、そしてジャズの聖地ニューオリンズなどを舞台にした全七編。ジャズと不思議に満ちた、痛快ミステリ。
「落下する緑―永見緋太郎の事件簿」 (創元推理文庫)
「辛い飴 永見緋太郎の事件簿」 (創元推理文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)
に続くシリーズ第3弾。
「塞翁が馬」
「犬猿の仲」
「虎は死して皮を残す」
「獅子真鍮の虫」
「サギをカラスと」
「ザリガニで鯛を釣る」
「狐につままれる」
の7話収録。ことわざをタイトルのモチーフにした趣向ですね。
「塞翁が馬」は、真相の見当はすぐつくのですが、まさかなぁ、と思ってしまいました。だって、そんなこと......
「犬猿の仲」は、ミステリというより人情噺に近くなっているような。もっとも人情噺という側面は、シリーズを進むごとに強くなってきていますが。
「虎は死して皮を残す」の密室からどうやって逃げたか、というトリックはおもしろいですねぇ。ありえそう。
「獅子真鍮の虫」は、古いぼろい楽器ばかりが盗まれる盗難事件の謎ですが、この動機は面白いですね。
「サギをカラスと」は、老演奏家の消えた恋人(?) の行方を追う話ですが、なるほどねー。
「ザリガニで鯛を釣る」は、唐島に相次ぐ不運を扱っていますが、これは、ちょっとわかりやすいのでは、とも思います。人情噺の一つの頂点ということでしょうか?
「狐につままれる」のトリック、大好きです。音楽による密室という新手のパターンもステキです。
これまでにもましてミステリ味が薄れてきていて、ジャズそして人情噺に力点が置かれた作品になっているなぁ、というのが読んだ際の感想だったのですが、法月綸太郎の解説を読んで認識を改めました。
なるほど。
短編職人であるエドワード・ホックの「ぬるさ」の境地を目指したのですか......
それでもジャズ部分の豊穣ぶりは特筆すべき特長だなぁ、と感じましたが(なにしろ、ジャズの聖地をめぐり、ジャズの名手たちを登場させていくのですから)、ミステリ面はおっしゃる通りの境地にも思えますね。
このあとの続刊は出ていないようですが、貴重なシリーズなので、ぜひ続けてもらいたいです。
2gether [タイ・ドラマ] EP13 [2gether [タイ・ドラマ]]
このところはまっていたタイ・ドラマ 2gether 、5月15日遂に最終エピソードEP13がYouTubeにアップされました。
今回も日本語字幕ができるのを待ちきれずに英語字幕版で観ました。日本語字幕はまだですが、感想を書きます。
いわゆるネタバレ全開ですので、ご留意ください。
前回EP12が、観ていてつらいエピソードだったので、果たしてハッピーエンディングになるのかどうか、ドキドキしていました。
実際、いつもだったら、次のエピソードが放送される前は、その前のエピソードを観て予習(復習?)して観る準備をしていたのですが、今回に限っては、EP12を観るのがつらいので、観ませんでした。英語字幕版で観た後、かならず日本語字幕版も観ていたのですが、それも観ていません......
EP13、オープニングからEP12を引きずって(当たり前ですけど)、つらいモードです。
Tine(タイン)はショッキングなシーンを見た後、慟哭。これがEP12のエンディングでした。(このシーン、EP13でも繰り返されて、これがまた観るのがつらかった...)
そのあと、腹痛をこじらせて 偶然出会った Mil(ミル)先輩に病院に運ばれる。
このシーンで Sarawat(サラワット)は駆けつけるのですが、Tine とは言葉を交わさない(交わせない)。
病院から帰るシーン。ここで Sarawat 再度登場。
でも「誤解だ、話を聞いてくれ」という Sarawat に Tine は「もう信じられない。聞きたくない」と拒絶。Sarawat を残し Mil 先輩の車で立ち去る。
Tine は Sarawat と一緒に住んでいた部屋を引き払い友人 Fong(フォン。フォングなのでしょうが、フォンと聞こえますね)のところに身を寄せ、Sarawat も Fong のところへやってきてバンドコンテストの練習に必要で後で返すからといいつつも Tine からギターを引き取っていってしまう......
Sarawat はコンテストを見に来てほしい、待っている、とはいうものの、畳みかけるように、破局、ですね。
視聴者は誤解だ、とわかっているのに、Tine と Sarawat は、ちゃんと会話できてなくて、一気にここまで来てしまう。何度も何度もプレイバックされる楽しかった日々の記憶が一層せつなく、つらいですね。
Tine の方も、なんだかんだ言いつつも、未練たっぷりだし(当たり前!)、誤解の元であった Sarawat の初恋の人 Palm と Tine の会話など、誤解がとけるようになるための伏線をいくつか経て、いよいよクライマックスのコンテストのシーン。
音楽がキーの物語が、音楽のシーンでクライマックスを迎えるというのは安定感ある仕上がりになりますよね。
いやあ、よかった、よかった。もとに戻れて。
個人的には、Tine の笑顔度数がやや低いかな、と思ってしまいましたが(もっと喜びを爆発させた表情になるかな、と思っていたので)、まあ、小さいことです。
ついでに、2shot と Sawarat のショットもつけておこう。
EP13では、サブエピソードにも相応に時間が費やされています。
Sarawat の友人Man(マン)とTine の兄 Type (タイプ)のエピソードは急展開。
Mil 先輩と、Sarawat の弟の仲も、Sarawat と Tine のエピソードに寄り添うような形で展開。
音楽がキーと書きましたが、このシリーズの原作は、もともとタイのバンド Scrubb の曲に触発されて書かれたもの、らしくて、 Scrubb の曲が非常に印象的、効果的に使われています。Scrubb 自身も何度もシリーズに登場しています。
まず、 Sarawat が Tine を見初めるきっかけが大学での Scrubb のコンサートでしたし、Sarawat と Tine の仲を深めるための大切なツールでした。
Tine が Scrubb の曲について Sarawat にいうセリフ(EP3)、
「他のバンドも聴くけど、スクラブは違うんだ」
「どこが?」
「幸せなときにスクラブの歌を聴くと、もっと幸せになる。恋をしているときに聴いたら、もっと深く恋に落ちる」
「悲しいときは?Scrubbの歌をもっと悲しく聴くのか?」
「違うよ。悲しいときに彼らの歌を聴くと、元気になるんだ。誰かが慰めてくれてるように。」
は、とても印象的ですし、シリーズ中でも何度も言及されるキーフレーズです。
Scrubb の曲を繰り返し聞いているうちに、今ではすっかり僕の好きな曲になっています(笑)。
EP3で Tine が Sarawat の部屋で演奏してとねだる「Close」
EP4で Tine の方から演奏してと頼んだのにその場では聴けず、クラブの先輩の演奏中に Sarawat がイヤホンを共有して聴かせてくれたり、EP6 でClubでSarawat が Tine のために演奏したりしてくれる「Everything」
EP5で酔った Sarawat がTine の寮の部屋で演奏する「This Person」
EP6の Scrubb のコンサートでTine が Sarawat の肩に腕を回して楽しそうに聴く「Deep」
EP9でTineが演奏しようとする「Only You」 (タイ語のタイトルはWishらしいです)
EP10でビデオの存在が明かされ、EP11でTineに見せられる、未だ高校生の Sarawat が演奏する「Smile」
みんな大好きな曲になりましたが、一番好きなのは、EP5で、Tine の寮の部屋のバルコニーで、Sarawat が演奏する「Click」です。
この曲、Scrubb のオリジナルよりも、Sarawat が演奏するバージョンの方が好きです(笑)。まったく違う曲に聞こえてしまいました。劇中 Sarawat が演奏、歌うシーンはこちら。途中会話が入りますが、そのあとの部分までぜひ聞いてほしいです。
ずいぶん長くなってしまいました。
このドラマ、もうちょっと書いておきたいことがあるので、また後日書こうと思います。
<追記>
ほかの感想ページへのリンクを張っておきます。
2gether [タイ・ドラマ]
2gether [タイ・ドラマ] EP10
2gether [タイ・ドラマ] EP11
2gether [タイ・ドラマ] EP12
2gether [タイ・ドラマ] 追加の感想
祟り火の一族 [日本の作家 か行]
<カバー裏あらすじ>
殺したはずの女が蘇り、のっぺらぼうが林に立つ。包帯男に語り聞かせる怪談に興味をもった劇団員の明爽子(あさこ)は、刑事の浜中と探偵の海老原を巻き込んで、捜査に乗り出した。舞台となった廃鉱山では、連続殺人が起きていたと判明。解き明かされる真実から、火に祟られた一族の宿命が浮かび上がる――。精緻に組み立てられた謎と、驚愕の結末に感嘆必至の長編ミステリー。
小島正樹の海老原浩一が探偵役を務める作品としては、島田荘司との共著である「天に還る舟」 (SSKノベルズ)を除いて考えて、
「十三回忌」 (双葉文庫) (ブログの感想ページへのリンクはこちら)
「扼殺のロンド」 (双葉文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)
のあと、
「龍の寺の晒し首」 (本格ミステリー・ワールド・スペシャル)
「綺譚の島」 (ミステリー・リーグ)
がありますが、文庫化されていません。早くどこかで文庫化してくださいね。
この「祟り火の一族」 (双葉文庫)はその次の5作目です。
宇田川拓也による解説で、本作はシリーズのターニングポイントとなる重要な作品だと書かれていますが、あんまりいままでの作風と変わっていないように思います。この事実は Welcome です。
相変わらず、謎のてんこ盛り。
帯にも「圧倒的奇想と怒涛の超絶トリック」と書かれている通りです。
それぞれまさに圧倒的な不可能状況が解かれるさまは壮観という感じなのですが、同時に、これは小島正樹の作品に共通することでもありますが、それぞれあっけなく解かれます。
もったいないなぁ、と思ったりもしますが、次々と繰り出される謎が、バッタバッタと切り捨てられるように、ある意味あっけなく解かれていく快感というのは、小島正樹でなければ味わえない醍醐味です。
次の海老原が探偵役をつとめるシリーズの次作「呪い殺しの村」 (双葉文庫)も文庫化されているので、楽しみです。
本当に、途中の「龍の寺の晒し首」、「綺譚の島」も文庫化してくださいね。
タグ:小島正樹
憂国のモリアーティ 8 [コミック 三好輝]
<カバー裏あらすじ>
腐敗した市警の闇を暴く大胆不敵の美しき刺客──
偽ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)達と対峙したウィリアム。
ついにその裁きの時が──。
一方、シャーロックはこの事件を契機に、犯罪卿に対してとある推理に至る。
その矢先、市警(ヤード)が存在しないはずの“ジャック・ザ・リッパー”の逮捕を発表。
この冤罪を暴くためボンドは市警への潜入工作を開始するが…!?
そして、犯罪相談役と諮問探偵は再び相見える!!
シリーズ第8巻。
表紙は、これ、ホームズ?
#28 ホワイトチャペルの亡霊 第四幕(The phantom of Whitechapel Act 4)
#29、30 スコットランドヤード狂騒曲 第一幕、第二幕(The Riot in New Scotland Yard Act 1, 2)
#31 一人の学生(The adventure of the One Student)
を収録。
「ホワイトチャペルの亡霊」は、敵のアジトに着いたモリアーティたちがいよいよ決着をつける、という段取りですね。
派手にやってくれて満足、なのですが、同時にシャーロック・ホームズも投入して今後のストーリーの大きな転換点になっているように思いました。
「スコットランドヤード狂騒曲」は、解決した切り裂きジャック事件の余波ですね。スコットランドヤード主導の冤罪事件をどうやって防ぐか、というお話になっていきます。
同時に、スコットランドヤードにモリアーティが忍ばせているスパイ(? 作中では"内通者"と呼ばれています) の存在も明らかになりましたので、物語の幅が拡がりますね。
同時にホームズが、モリアーティたちを”義賊”と判定するのが注目ですね。
「一人の学生」は、数学に素晴らしい才能を見せる若者ビルを見出すという話ですが、同時に、ウィリアムとホームズのエピソードでもあります。
「スコットランドヤード狂騒曲」で、”義賊”認定することもあり、今後の展開が注目ですね。原作では、徹底的に対決するのがホームズとモリアーティの関係性ですから......
はるひのの、はる [日本の作家 か行]
<カバー裏あらすじ>
大きくなったユウスケの前に、「はるひ」という名の女の子が現れる。初対面のはずなのに、なぜか妙に親しげだ。その後も「肝試しがしたい」「殺人の相談にのって」と無理難題を押し付ける。だが、ただの気まぐれに思えた彼女の頼み事は、全て「ある人」を守る為のものだった。時を超えて明らかになる温かな真実。ベストセラー「ささら」シリーズ最終巻。
「ささら さや」 (幻冬舎文庫)
「てるてるあした」 (幻冬舎文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)
に続く、シリーズ最終巻です。
(「ささら さや」には空白が、「はるひのの、はる」には読点が使われていることによって、シリーズのタイトルが順に、6文字、7文字、8文字と増えていっているのを楽しく感じました。そういう狙いはないんでしょうけれど)
これまでのシリーズ2作を読んだのはずいぶん前で、中身は例によって忘れてしまっているのですが、「はるひのの、はる」 (幻冬舎文庫)を読んでいるうちに、おぼろげに思い出してきました。
シリーズの世界がしっかり構築されているから、ですね。
ミステリの手法が惜しげもなく投入されていますが(ちょっと変な表現かもしれませんね)、読んだ感触はミステリではなく、ああ、いい話を読んだなあ、というもの。
このシリーズの、というよりは、加納朋子の作品の特徴ともいえるポイントですね。
読んだ感触はミステリではないと申し上げましたが、謎はちりばめられていますし、なにより「はるひ」と名乗る女の子の正体は、本書における最大の謎として全体の底に流れています。(ただし、読者が見当をつけるのは容易ではありますが)
幽霊が出てくる、ということでファンタジックな物語であることは自明ではありますが、現実の世界に寄り添って世界が構築されている安心感もあります。
温かな真実というあらすじの紹介文が境地を楽しみに、ぬくもりに包まれた物語世界を楽しんでいただけたら、と思います。
<蛇足>
けれど母が喜んでくれるから、一生懸命に手伝った。(18ページ)
それはこの上なく幸福な気づきであった。(55ページ)
こういう語が出てくると、ささくれのように感じられて味気ない思いをするのですが、もうこれは普通の正しい日本語なんだとあきらめるべきなのかもしれません......
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