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牡丹色のウエストポーチ: 杉原爽香〈44歳の春〉 [日本の作家 赤川次郎]


牡丹色のウエストポーチ: 杉原爽香〈44歳の春〉 (光文社文庫)

牡丹色のウエストポーチ: 杉原爽香〈44歳の春〉 (光文社文庫)

  • 作者: 次郎, 赤川
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/09/08
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
「杉原爽香の娘を殺して」夜明け前の公園で交わされた契約が、危険な事件の連鎖を誘い込む。不穏な思惑などつゆ知らず、学校行事の一環で山間のキャンプ地に赴くこととなった爽香と娘の珠実。楽しいはずの旅行先で、殺意は着実に迫りつつあった……。新たな事件、移ろう人間関係、それぞれの成長。登場人物が読者とともに年齢を重ねる大人気シリーズ第三十弾!


このシリーズは先に、
「灰色のパラダイス: 杉原爽香〈45歳の冬〉」 (光文社文庫)(感想ページはこちら
「黄緑のネームプレート: 杉原爽香〈46歳の秋〉」 (光文社文庫)(感想ページはこちら
を読んでしまいましたが、経緯は「灰色のパラダイス: 杉原爽香〈45歳の冬〉」感想に書いた通りで、「牡丹色のウエストポーチ: 杉原爽香〈44歳の春〉」を読んでいなかったのに、間違えて日本に置いて来てしまったからです。
今回の12月の一時帰国で発掘してイギリスに持ってきました。本当は一時帰国中に日本で読んでしまいたかったのですが......

今回は、爽香の娘:珠実の命が狙われるということで、余計な巨悪に挑んだりしないので(失礼)、すっきりした話に仕上がっていました。よかった。

また轢き逃げをしてしまう女性のエピソードもどう決着をつけるのだろうと轢き逃げ当初から思っていましたが、印象的なエンディングを用意しています。
赤川次郎らしい処理になっていまして、常套的といえば常套的なのですが、ちょっとほっとできます。

シリーズ第三十弾ということで、節目の作品でもあったので、いつもより赤川次郎も力が入っていたのかもしれませんね。
「牡丹色のウエストポーチ」というタイトルも、第1作の「若草色のポシェット」 (光文社文庫)をどことなく思わせます。ウエストポーチとポシェット、似ていますよね⁈


<蛇足>
「刑事に限らないが、男というもの、全般に『女の意見』をまともに取り上げない傾向がある。長年仕事をして来ての、爽香の実感だった。」(268ページ)
爽香が育ち成長してきた時代を映したような感慨ですね。
最近の若い人の間では、こういうことはかなり少なくなっているのでは、と期待します。




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