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イギリスから日本へのコロナ禍中での帰国 [イギリス・ロンドンの話題]

「泥棒は世界を救う」 (トクマノベルズ)感想で、さらっと書きましたが、日本への帰国辞令をもらって四月半ばに帰国し、1ヶ月以上が経ちました。

コロナ禍さなかの帰国、しかも、イギリス型変異株で話題の(?) イギリスからの帰国ということで、かなり稀有な体験をしたと思われますので、これも何かの話のタネ、記録しておくこととします。

既報のとおり、昨年11月から3週間ほど一時帰国をしておりましたが、その時と比べて格段の厳しさでした。
厚生労働省のHPから抜き書きしてみますと、

□出国前72時間以内の検査証明を取得すること
□検疫所長が指定する場所(自宅など)で入国(検体採取日)の次の日から起算して14 日間待機する滞在場所を確保すること
□新型コロナウイルス変異株流行国・地域(英国は当然?含まれます)に過去14日以内の滞在歴がある方につきましては、検疫所の確保する宿泊施設等で入国後3日間の待機をしていただき、3日目(場合によっては6日目)に検査を実施します 
□到着する空港等から、その滞在場所まで公共通機関を使用せずに移動する手段を確保すること
□入国後に待機する滞在場所と、空港等から移動する手段を検疫所に登録すること
□新型コロナウイルスの検査を受けること
□検査結果が出るまで、原則、空港内のスペース又は検疫所が指定した施設等で待機すること
□入国時には、誓約書を提出していただきます。


まず、一番最初の検査証明書が難物です。
証明書の要件が厚労省によって定められています。(厚労省HP
まず、適合する検査方法で検査をする検査機関がその国にあるのかどうか、そしてその検査機関が、厚労省の定める書式の(あるいは求める項目を網羅した)証明書を出してくれるかどうか。
イギリスでは、日本大使館が親切で、在留者へのメールマガジン?で、適合するとされる検査機関を教えてくれていました。
なので、街中の検査機関ではなく、わざわざヒースロー空港にあるその検査機関-1つしかしょうかいされていなかったのです!-(Collinson Assistance Services)へ、念のため前日に出かけて検査を受けました。結構高かったです。85ポンド。為替レート次第ではありますが、1ポンド150円として12,750円。
なのに、にもかかわらず、羽田の入国時に、ひと悶着ありました。
記載事項が、厚労省(検疫所)の定める項目をカバーしていない、と(具体的に言うと、検体採取日時が書いていない、と言われました。検査日時は書いてあったんですけどね)。
ロンドン-羽田フライトですので、同じ証明書を使って入国している人がほかにもたくさんいらっしゃったにもかかわらず(ぱっと見たら同じ検査機関の証明書だとわかります)、ぼくだけかなり時間がかかりました。取り残された気分です。
最終的には、羽田空港の検疫官のご判断により、検査機関からのメールなどその他の資料をいくつか提示することで通していただきましたが、正直この段階で疲れ果ててしまいました。(長時間のフライトですでに疲れていましたし)

そのあとも何段階ものチェックがあります。
政府指定のアプリをインストールし有効に機能する状態のスマホを持っているか、とか......
そしてそのあと唾液採取による検査を受けて、結果待ち、です。
なのですが、これがすごい長時間。
11月の一時帰国時には1時間かからずに結果が出たのですが、今回は、混雑する羽田、かつ、入国者が多かったのでしょうか、フライトのランディングは15時くらいでしたが、検査結果が陰性と判明したのは22時を回っていました。いくらなんでも、時間がかかりすぎだと思いました。
この間、トイレに行く際にも係の人に言ってついてきてもらわない(!)といけません。
そこから、入国審査となります。
ちなみに、荷物はターンテーブルからはおろされていて、それぞれの人ごとにとりわけ区別して置いていただいています。ありがたい。

その後、検疫所の確保する宿泊施設へ、検疫所の確保したバスで移動、となるわけですが、この段取りも、やむを得ないことなのかもしれませんが、今一つでしたね。
たとえば、バスでの移動なので、人数がある程度まとまらないと出発しないわけです。待ち時間が発生します。なので、トイレに行く時間があるかどうか、係の人に聞いたら、「大丈夫です。その時間はあとで案内します」という回答だったのですが、結局そんな案内はなく、問答無用でバスへ(笑)。切迫していなくてよかったです。

今回は両国にあるアパホテル&リゾート両国駅タワーが宿泊場所でした。
まるまる政府が借り上げていたような。
ここで、再検査までの3泊(入国日の翌日から起算して3日目に検査があります)を過ごしたわけです。
(入国時にてこずった、検査証明書がないとされる場合(形式不備の場合も含む)は、6日目まで隔離されて6日目にも検査されるということでした)

ここでは、基本一歩も部屋から出ることはできません。監視している人がいて、ドアを開けると注意されます。(いちおう、言い方としては「なにかご用ですか?」ではありますが、言い方といい趣旨といい、明らかに外に出るのを阻止するのを目的としています)。唯一出られるのは、地下に設置されているコインランドリーを利用するとき(事前連絡要)のみだったようです。
ちなみに、食事は、毎食お弁当(とペットボトル入りのお水)が用意されていて、外側のドアノブに掛けられます。配り終えた後に「配り終えたからドアを開けて弁当とってもいいよ」という旨のアナウンスがあってから、手に入れます。

ちなみに、初日夜のお弁当はこちら ↓
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びっくりしたのは3日目の朝食ですね。
DSC_1272.JPG
バラエティを出そうと考えていただいたのだと思います。苦労されたのでしょうね。お弁当箱にサンドイッチが無理やり入れてありました(笑)。

この宿泊費もお弁当も、無料です=政府持ち。
当り前なのかもしれませんが、ありがたいことです。

ちなみに、この期間中は飲酒・喫煙は禁止です。
たとえば日本に住んでいるご家族・ご親族から、差し入れ?を送ってもらうことは可能だったようですが、その場合でも、中にアルコール(と危険物)がないかどうか、職員立会いの下で、中身の確認がされるようです。
また、期間中、ホテルの部屋の電話を使った外線電話は禁止です。

毎日朝体温・体調を報告することになっていました。

ビジネスホテルの一室ですから、想像がつく方はしていただければと思いますが、とても狭い部屋で、しかも、かなりの荷物がある。一層狭くなった部屋から、一歩も外へ出ない。これは、きつかったですね。

無事3日目の検査が陰性となりましたら、ふたたびバスで、羽田空港第3ターミナルへ。
そこからアパホテルでの3泊を含めて、14日間となるまで自宅待機ですが、ぼくの場合は自宅が関東圏にはありませんので、ホテルを利用しました。12泊お世話になります。

この利用目的での宿泊を受け入れているホテルは多くはなく、航空会社のHPで案内のあるホテルを選ぶことに。
また、羽田空港からの足は、公共交通機関が(タクシーも)使えませんので、羽田隣接のホテル(ロイヤルパークホテル東京羽田)にしました。
3日ごとに部屋を変えてくれるなど、かなり親切なパッケージがこのホテルでは用意されています。

食事は、ホテルなどのレストランは使えませんので、空港のコンビニで買うか、飲食店でテイクアウトするか、です。
ここで、個人的に誤算がありました。
羽田空港って、お店が充実していますから、テイクアウトであれ、コンビニであれ、12泊分の食事は飽きないだろう、と読んでいたのです。空弁とかもありますしね。ところが、羽田空港第3ターミナルから、第1、第2ターミナルへ移動できないのです。
ターミナル間の巡回バスがあるのはご存知かと思いますが、このバス、公共交通機関に含まれるため、ぼくは利用できません。徒歩でいけるかな、と思ったのですが、歩行者通行止めとかが設定されていて、どうも無理なようで......もともと徒歩でターミナル間を移動することが想定されていないのでしょう。
とすると、第3ターミナル内で完結せざるを得ないのですが、レストランもかなり閉まっています。
ああ、コンビニ(ローソンとセブンイレブン)が第3ターミナルにあってよかった......
(と、これを書いていて、いま気づいたのですが、デリバリーをホテルまで頼めばよかったのかも)

14日間は、あらかじめインストールしておいたアプリで所在や健康状態の報告を毎日します。
ロイヤルパークホテル東京羽田滞在中、外出は食事の買い出しと、運動目的の散歩(といっても、ターミナルまわりを短時間うろうろするだけですが)のみとし、その際も極力人との接触を避けて過ごしました。
検査が万能ではないこと、陽性と出るまでのタイムラグ(潜伏期間?)などが考えらえることは承知していますが、イギリス出国前、日本入国時、入国後3日目と3回も検査し、すべて陰性なわけで、感染者増が騒がれている日本に普通に住んでいる人たちよりも、よほどシロじゃないかな、と思いつつも、お国の定める施策に従い、水際対策に貢献したつもりです。
この14日間、本当につらいです。
ご家族とご自宅で、というのと、ホテルで一人で、というのでは、違うかもしれませんが、きついことには変わりなしかと思います。世間では、この期間に出歩いている人がいるということが報道され、非難されたりしているようですが、出たくなる気持ち、わかります。
一度、みなさん帰国者と同じ条件での14日間を過ごしてごらんになれば、つらさが実感できると思います。

あと、羽田空港でのやりとりでも、アパホテルに移ってからの入館時のやりとりでも、日本人ではなく、外国人の方が多く担当していました。
こういうところでも、外国人に頼らないといけないのですね。
とても丁寧に対応いただいたと思います。

14日間は、隔離が目的なのでやむを得ないのですが、日本に住所がなく、かつ、日本の携帯を持っていない、という状況で、いろいろと日本での立ち上げがスムーズにいきにくいことを実感しました。
日本の携帯をレンタルしておいた方がよかったかもしれません。

コロナのような異常事態が早く収まりますように。
切にそう実感した14日間でした。


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